第15話早川のお見合い

そんな、ある日朝から落ち込んでいる

早川。


「おはようございます」


「おはよう」


「あれ?早川は?」


「あ~あそこで、何か変なオーラを出して

落ち込んでるぞ」


「え?朝から?」


「あ~」


柊は早川の所に行った。


「早川?おはよう」


「おはようっす」


それだけ言って、うなだれている。


「早川コーヒーは?」


「あ~柊さん、自分でお願いするっす」


「早川~あんた、どうしたのよ?」


「はあ~」


深いため息を、付く早川。


「もう、しっかりしなさいよ!そんなんじゃ

仕事が出来ないよ!何か有ったの?

コーヒー入れて上げるから、自分のデスクに

行きなさい」


ボ~ット歩いて、自分のデスクに座る

早川。

柊は、みんなにコーヒーを入れて配った。


「権田さん、柊さん」


「ん?どうした?」


「何?早川?」


「僕、僕お見合いするんすよ」


「おっ?」


「え~!又どうして?」


「家のお母さんが、将来が心配だからって

お見合い相手を、見付けて来たんすよ」


「お前、写真は見たのか?」


「どんな人?」


「普通に可愛い人だったすけど」


「じゃあ、いいじゃ無いか!」


「そうよ!後は会って話をして、性格が

良かったら、やった様なもんよ!」


「二人共、僕が柊さんの事を好きだって事を

忘れてるんすか?」


「あ~いや~」


「ううん、分かってるけど、そんなに

可愛い人なら、そっちの人が絶対に

いいよ!」


恨めしそうに、柊を見る早川。

そして、柊は自分も、お見合いする事を

思い出した。

まだ写真も見て無いが、見る気も無かった。

最初から断る気の、柊には見る必要が

無かった。


「いいですよ!僕は見合いして、絶対に

二人より幸せになりますから!見てて

くださいっす!」


「おっ?早川、そのいきだ!」


「早川、頑張ってね」


「柊さんに言われると、胸がモヤット

するっす」


「その内、しなくなるよ」


「そうっすかね?」


「「そうっすよ」」


権田と柊が、ハモってしまった。


「二人で一緒に~!何か悔しいっす!」


「そんな事無いぞ!まぁ、いい経験だ!

お見合い、して見ろよ!」


「そうそう」


そして早川は、渋々お見合いする事に

なった。

当日、ガチガチの早川がいた。


「初めまして、早川勇也です」


「初めまして、古川真理亜です」


そして、お見合い定番の趣味の話等をして

暫くすると、仲人が


「後は、若い二人に任せましょう」


「そうですね、勇也、真理亜さんと外でも

散歩して、話をして来なさい」


父に言われて早川は


「はい、じゃあ真理亜さん行きますか?」


「はい」


真理亜は、しおらしい、控えめな女性だった。

早川は真理亜に


「お見合い、嫌じゃ無かったっすか?」


と、聞いてみた。


「え?まぁ~でも、写真を見て優しそうな

人だなって思って、その早川さんは何時も

そんな話し方何ですか?」


「あっ、まぁ~そうっすね」


「フフフ、面白いですね」


「そうっすか?先輩達には、何時もバカに

されるんすけどね」


「私は、好きですよ」


(好き?)


早川は顔が、真っ赤に なって、心臓が

バクバクして来た。


「早川さん、大丈夫ですか?」


「いや、好きなんて言われると、照れるっす」


「フフフ、早川さんは純粋な方なんですね?」


「ありがとうっす」


「こちらこそ、ありがとうっす」


「ハハハ、真似しなくても、これから

どうしますか?」


「あ~私は、お付き合いしても、いいかな?

って思ってます」


「マジっすか?じゃあ、是非、是非お付き合いを、お願いするっす!連絡先を交換

するっすか?」


「いいっすよ、フフフ」


そして、二人は連絡先を交換した。

その日から、早川の人生初の恋愛が

スタートするのだった。

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