第14話柊と権田?

「親の愛情を、たっぷり受けて育った人が

優しい人なら、僕もっすね」


「うん?」


「え?」


「だって僕も、親の愛情を、たっぷり

受けてるっす、だから僕も優しいんすよ!」


「お前、それを自分で言うか?」


「本当だよ!早川は優しいけど、弱すぎる

よ!」


「僕は弱いっすか?」


「誰が、どう見てもね」


「権田さん、やっぱり稽古を付けてくださいでござりまする!」


「だから俺は、そんなに暇じゃ無いんだよ!」


「だって、柊さんは強い男が好きだって

……あ~もしかしたら、柊さんは権田さんが

好きなんすか!」


権田も柊も、口にしていたコーヒーを

吹き出して、むせかえっていた。

柊に至っては、顔が真っ赤で、むせこんで

いた。


「早川~お前はバカか?何を言い出すん

だよ!」


「だって、柊さんの回りの強い男って

権田さんしか、居ないっすよ、ねえ?

柊さん?」


「バカ早川、何を言ってんのよ!」


真っ赤な顔の柊が言うと


「柊さん、顔が真っ赤っすよ、まさかの

図星っすか?」


「あんた、それ以上言うと、絞め落とす

わよ!」


柊に睨まれる早川は


「もう言わないでございまする、だから

絞め落とすのは、許して欲しいで

ござりまする!」


「分かればいいわよ」


だが柊も権田も、お互いに顔が見れない

状態だった。

権田を睨み付ける早川。


「おい!何だよ早川!どうして睨むんだよ!」


「もう権田さんは、先輩じゃ無いっす!

僕の敵っすから!」


「何でだよ!」


「柊さんを僕から奪う、ライバル恋敵っす!」


「おい、おい!」


慌てる権田と柊。


「早川!何を言ってんのよ!」


「柊さんは顔が、真っ赤だったっす!

それは権田さんが、気になるからっすよ!

僕の時は、何時も普通だったっす!」


「あ~もう、この話はこれで終わりだ!

仕事するぞ!」


渋々、仕事をする早川。

助かったと思う柊。

しかし、その日以来権田と柊は、何処か

ギクシャクする様に、なってしまった。

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