第8話

女を四つん這いにさせる。指を滑り込ませて。いままで、女は感じっぱなしだった。何をされてもどうしろと言われても言う通りにする。だが、かわいそうなのでとある場所は舐めさせなかった。触らせるだけ。その恥ずかしい場所に、垂らすだけで熱い、酒を垂らした。


あつい、


女は今夜で一体何夜分の快感を知るだろう。


近くの家の奴に聞かれても知らないぞ。


そんなっ


だいじょうぶだ。ほかに住人はいない。


言葉で翻弄して。


欲しいか?


と聞く。


わからない、けど、たまらなく、足りない時がある。そのときが、


わかった。


女をまた、仰向けにして。本当にお行儀がいい。


後悔するなよ。


させないつもりだ。女は、もう緊張していない。


貴方が欲しい。


おれも、おまえと、つながりたい。


最後の調整をする。やはりきもちいい、と言う。


たった一晩で、いやらしいな。そそる。


おんなが赤面するようだった。身体が熱くなる。入りそうだ。


押し付ける。だがすぐにはしない。入り口でこする。女はこれで身悶えする。次第に反応が薄くなる。指を入れたところへ進ませる。質量に女が驚き、すぐまた引っ込める。指でのと同じだ。慣れさせろ。入らないわ、だめ、あっ!はぁん、また!あんッ。


……だいじょうぶだ。ちゃんと、体験させてやる。


たとえ、少しの痛みを伴っても。 


まだ、長いの?


女が心配そうに問う。そこで、ゆっくりと、ずぶう、とすすませる。


ああああん!!!!!


全部入れたわけじゃない。


あとすこし、すこしだ。


いや、ぜんぶいれないで、


痛いか。


少しだけ、ピリピリするけど、動かないで、おねがい。


少し抜いた。女の太ももがビクッとする。濡れていた場所に戻り。そこだけでこすって動いてやる。気持ちがいい。ゴムを忘れた。粗相はしないつもりだが、念のため後で避妊用のピルをやろう。

 いや、俺が悪かった。今から付けよう。酒が乗っていたテーブルの引き出しから一つ取り、抜いていたそれにつけ、女も慌てていた。


もう痛いのは嫌よ。


奥はいかない。ただ、抱くのは今夜だけだ。


女が、泣いた。応じようとする。ゴムの潤滑も手伝って、愛しい女にまた、飲み込まれていく。女は何度でも緊張する。奥まで行けそうだった。行けた。しばらく動かない。ゆっくり、すきだ、と伝えるように腰を。

ゆっくり、

ゆっくり、

すきだ、

すきだ、


女の体が、おれの腰の動きに合わせてベッドの上で動く。身体の胸が揺れる。

すきだ、

好きだ。


このおんなの名前を聞いていない。おれも聞かれていない。やがて、自分の達するのがいつもより遅いことに気づく。女も、おんなは、


だめ、

ゆっくりはだめ、

だめ、


ああ、

こんなの知らない、

ああ、


ああ、

気持ちいい、




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