第7話

 女の中に指を、平気そうだ。2本に増やす。快感で震え出す。先ほどが効いている。少し動かしてして、だめ、ああ、だめ、へんになるっ。

なかでざらりとした感触が指の腹に伝わる。はやく、そう思う。


ああっ


昔知り合った年上の女たちは言った。お腹の中でそんなふうに動かしちゃだめえ、ああ、奧、指より奥がいいの、奥が足りない!もっと太いのが欲しい!ほしいの!少年だった自分に、「指導」してきた。おまけに指を手で掴まれ、こんなふうに動かしてと、そして今。かつて人殺しをしていた手は。


ずぶずぶの、23歳の、自分を3年間ずっと慕い続け。処女を貫いてきた女は、


はあ、あ、あ、あん、あ、あ!ぁ、ああ、あん、あ、あ、やあ、ん、ふぅ、ん!んんっ


少し乾いてきてしまったな。喘いではいるが、どうしても乾くとひりつくらしい。


脱水になる前に。

男は女を解放してやる。

今度こそ女は少しも動けない。


冷蔵庫からミネラルウォーターを出し。


全部飲め。


かわいらしいおんなが、カラカラの喉で唾を飲み込みながら起き上がり、


ぜんぶ飲んでいいの?


勿論。全部だ。


あれほどの快感を垂れ流したのだから。手についた汁は気にならなかった。それだけ、おんなが感じてくれたのだ。


俺も自分のをさわりたい。


女が目を丸くする。


どうして?


お前がいい女だからだ。


もうすぐマフィアも抜けられる。これまでは、守れそうになかったから、女を作らなかった。少年時代、何度か関係のある人間はいた。年上の、マフィアにゆかりのある女。バレたらバレたで女の方がこの男、遡れば哀れな少年の貞操を奪った事実があったので。厳しい罰は与えられなかった。

 大人になってからは好きな時に、適当な相手と。マフィアは抜けられる。だかそうしない。必要最低限、稼がなければならない。子供達のために。

スラムと呼びたくはない。孤児だとも思わせたくない。


嘘をついたの。あの日。バーで。


女の話になっていた。


そうだ。


わたしを、貫きたい?


そんなことしない。ただ、


また女の股に手をやる。まだか。


キスをする。


キスをしながら。女はディープキスの真意に気付き、吐息を漏らす。


うえも、したも、


きもち、いい


女がはじめて、気持ちよがった。言うのに勇気がいっただろうに。

 今夜限りの関係として、一生分愛そう。もっと水を飲ませた。あまり無理はさせたくなかったが、痛くもさせたくなかった。



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