第6話

やっぱりまだ、若い女にちょっかい出してる、自分が子供なんじゃないかと思えてくる


少年になった気分で、抱いてはくれない?


少年時代は、言えない。


彼は何かを思い出している。


空気を壊してしまった。


悪くは思ってないが、年上の女たちに弄ばれて、愛してるかどうかも分からない、何も知らないで、よく分からずに体験を終えた。男まで狙ってくる。


急に、暴漢に襲われそうになった頃の記憶がよみがえり。彼にも苦悩があったのだと知る。


あの時はほんとうに助けてくれてありがとう。もっと、もっと、早くに、って思っていたけれど。


今度は私から、彼の頬におずおずとキスをする。

男がはじめてそうされたとでもいうように、かたまって、ヒーローは、女と深いキスをする。女はまだ、舌の絡め方がわからない。

 口内で舌を突き出して、男の何かを連想させるような動きに合わせる。ディープキスとはなにかしら。唾液の味も気にするが、男もあらかじめ酒を煽っていたのでいやではなかった。お酒で熱い。身体も、ずっと熱い。


わたし、もっと、声を出したい。うるさかったら、言って。貴方の触れられるのがどれほどのいいか。私の、気持ち良さなのか。快楽なのか、まだ分からないものを伝えたい。


もう随分時間が経った気がするが、バーを出たのが7時。いまは語り合って9時くらいか。


喘ぎ声も、なにもかも教えてやる。


男が怒ったように女をベッドに押し付けて。


いやああぁあん、ああ!ああ!ああッ


可哀想なくらい初めての。美女の美しい脚を開脚させ。頭をうずめ。うんと口で吸う。男の頭、大好きな髪色の頭を手で押さえて吸引を阻止しようとするが、さらに愛しい男の舌が美女の秘密を目指すように伸ばされ、舐められ。女はもう耐えきれなかった。言葉にできない!ただ、駄目!ああ!駄目!


男の指も一緒になって滑り込んでくる。先ほど感じた痛みは潤滑と、女の、女としての快感の適応によりなくなっていた。


(だめえ!)


男はもう1分くらい続けるのでは、というくらいにぐちゅぐちゅと女の悦びを響かせていた。


はあっはあっ


おねがい


やめて?やめないで?そんな思いが湧く。また身体が跳ねそうになる直前、それは引かれて。

 焦らされたのだ。もうたまらない。大人の男に、こんなに滅茶苦茶にされるだなんて。


もう許して


許してほしくはない。まだ、まだ残っている。

それが痛みか、満足か、快感か、不満か。

それとも後悔か。


男がシーツをはいだ。すべてがあらわになる。これで、ふたりとも。

女は息も絶え絶えでまだあるのか、と腰を上下に自然と揺らしている。

 それを見た男は、初めて女にしてほしいことができた。しかし、初めては、基本が良いのかもしれない。でも女はこんなに喘いでいるのだから。試しに男は聞いてみた。


おれのを、どう受け入れたい。座って自分で入れてみるか?深く入って、いいと聞く。


女は苦しげに眉間に皺を寄せ首を振る。まだどこに何を入れたらいいか、くわしく知らない、わからない。しかしもう23だ。

いや、年齢なんて関係ない。丁寧にしよう。


なら、正常位だな。


女の、知っているが頭から引き出せない単語が出てくる。女は本業はお堅い職業で。アルバイトは飲食店の店員。全てはバーで、男に近づくために「女」を学ぶため。

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