第26話

うららかな春の日も、桜はもう散り始め


そのときがやってきました


一羽目


大きく羽ばたくと、親鳥のもとへ一気に


二羽目


二度、三度と羽ばたいて


三羽目


それは一番小さな、あのとき巣から落ちたヒナでした


何度も、何度も羽ばたいて


親鳥や兄姉にはげまされて


ピィピィ鳴いて


ついに……




「やった!」


「やった!!」




ひなが木陰でバンザイ!


すえのぼうも反対側からバンザイ!!


両者ひょっこり、顔を出してしまいました


二人の頭の上


巣立ったヒナがくるくると


ひなにも、すえのぼうにも、「ありがとう」といっているようです

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