第25話

晴れたらもちろん

雨の日でも

風がビュービュー吹いていればなおさら


すえのぼうもあれからずっと、ヒナを見守っていたのです


子ザルのキー太と共に


「よくやるよなあ、お母さんとの約束をやぶってまで」


「人間には見つからないようにしているよ」


「ま、オレが見張ってるおかげだけどな」


「うん、ありがとう」


「なんだよ、ありがとう、いえるじゃないか?」


「だって、ボクとキー太は友だちだもん」


すえのぼうはごきげんでした


「おまえ、明るくなったな」


「なに、それ?」


「だって、よ……」


「よくわかんないけど、キー太だって、一生懸命なヒナの巣立ちは見たいだろう?」


「うーん……」


「ちがうの?」


「どっちかっていうと、オレはおまえの一生懸命な姿を見たいんだな」


「なんだよ、それ!」

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