第24話

村の春は大忙し


桜が咲けば、来たぞ、待ってたとばかりに種まきが始まります


子どもらはおるすばん


幼い弟妹の子守りしたり、お勉強したり


大人はそれだと思っていますが……


「ひな、今日もお山へ行くの?」


「うん!」


ひなはてくてく、わんこのチビにとびきりの笑顔


「だって、ヒナの巣立ちを見たいもの!」


「鬼が出てきたらどうするの?」


にゃんこのシロに問われても、知らんふり


「鬼はあれから見ないけど、お花は増えているよね」


「そうだね」


「親鳥にきいたら、鬼も毎日通ってるそうよ」


「へえ……」


「おかげで、ヘビもカラスも寄ってこないって」


「そうなんだ!」


「ひなは、どうしたいの?」


「うーん……」




ひなも、チビも、シロも


もちろん、お姉ちゃんの背中ですやすや眠る弟だって


後ろからそっとついてくる影があること


気付いていませんでした

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