第27話

ひなはじっと、一本杉より大きな泣き虫鬼を見つめました


すえのぼうは小さな人間の女の子から目が離せません


優しそうな目……

怖くないよね……




ひなが歩み寄ろうとした、そのときでした


「危ない!」


しわがれた声がひなの後ろからするどく


それは鉄砲を構えたひなのおじいさんでした




「ダメーーーーーーッ!」


おもわず、ひなは鉄砲の前に立ちふさがりました


「ダメだっ!」


泣き虫鬼のすえのぼうも、とっさに手を伸ばしました


「あ……」


ズドン!


おどろいたおじいさんは引き金を引いてしまったのです

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