第16話 豊胸
アタシはモデルとして復帰した。
心配していた事務所の吉田さんも、
「ちゃんと約束通り痩せたね。前よりもメリハリがついてるようだ。完全復活だな」
と喜んでくれた。
これで水着姿の撮影も出来る!と吉田さんは張り切っていたが、上半身は良くても下半身には、まだ男性のシンボルが残っている。なんとか誤魔化す為に、フリル付きの水着やパレオなどで隠したり、ビーチボールや浮き輪、麻素材の大きな帽子を使った。
お陰で周囲にはバレずに済んだ。
カメラマンには
「大股で砂浜走ってみて。元気よくね」
と言われた時には、少し焦った。
✤✤✤
胸も一度太ってから痩せたお陰で、少しは自前だ。でも残りは半年に一度打っている、ヒアルロン酸注射のお陰である。
アタシは豊胸手術をしようと思った。
モデル仲間たちも自分の脂肪を取って胸に注入したり、芸能人でもシリコンバッグを入れている人もいる。
ずっと手術が怖くてヒアルロン酸を打っていたけど、あまり頼りすぎるとしこりが残ったり、形が悪くなる可能性もあるらしい。
アタシはどの美容外科が良いのか、徹底的に調べた。
クチコミで評判の良い病院や、テレビコマーシャルをしている病院、あと、エステティシャンの従姉妹にも相談して、一ヶ所に決めた。
そしてそこで豊胸手術を受けることにした。
カウンセリングから始めて、じっくり話を聞く。バレないか、傷口は目立たないか、痛みは残らないか、不安なところは徹底的に聞いた。
そしてシリコンを入れるか、太ももの脂肪を入れるか迷った。
シリコンだと4カップまで大きく出来るらしい。自分の脂肪だと1~2カップまで。限定だ。
う〜ん、迷う…。
迷ったあげく、自分の太ももの脂肪に決めた。
ダイエットには成功したものの、下半身のお肉はまだ確実には痩せてはいない。
2カップバストアップしたいと言って、先生も了解してくれた。
術後の痛みのリスクも、一番低いらしい。
それに自分の脂肪だから、シリコンみたいに10年後取り替えるとか、痛みがしばらく続くとかは無い。
ただ金額が一番高い。
そこはネックだけど、自然な感じと安全面を考えた。
そして手術。全身麻酔で眠っている間に終わった…。
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