第5話

帝都の地に足を踏み入れた青藍は目の前の光景に驚きを隠せずにいた。

自分の目を疑いたくなるような代物が先を争うようにして瞳の中に飛び込んでくる。

どこを見ても知らないものだらけだ。


青空で染めたかのようなドレスで着かざる女性


しわ一つない蠟色のスーツを着こなし、ステッキを高鳴らす男性


純白のフリルがついた洋服を着る目の青い人形を持つ子供


見るからに上等そうな服を着る人ばかりだ。

しかも、彼らは動きさえ洗練されていて隙がない。

村とは違いすぎる街や人々の様子に感嘆していたその時...


『ジュッ!!』


左手が燃えるような感覚がした。


(熱っ!)


あまりの痛みに声すら出ない。

青藍は不覚にも涙目になっていた。

ちらりと左手を見るとすでに赤く腫れだしているではないか。


(うっ、こんな時に。もう…!)


これは病院に行った方がいいレベルなのだろうか。

痛みに耐えながらあれこれ考える。


ざくざく、ざくざく...


自分の方へと規則正しいリズムで近づいてくる足音がした。

遠くから来るようだが、あっという間に近づいてくる。



「きみ、大丈夫か?」



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