第7話
やべぇあの事を思い出すとこだったぜ。
コンコン
「入って」
「フレム様」
「ティルか。何だ?」
「甘やかしに来ました」
「そうか…何て?」
「甘やかしに来たのですよ。今日の模擬戦。決着がついた時、苦しそうな顔をしていらっしゃいました」
「気付いた?いや、気付くか」
「はい」
俺は昔から顔に出やすいって言われてるもんな。
でも、女の前ではかっこ悪い姿見せられないし…。
「甘えたくない」
と言ったが、ティルは聞いていないようで、
「甘やかします」
と、ティルは俺を寝せて、膝枕してくれた。
「いいって」
「良くないです。貴方が良くても、私が良くないです。死後も、気にしてしまいます。なんならその、原因を呪います」
「えぇ…」
それは言い過ぎでは…?
「何か、文句でも?」
「過去の事でうじうじしてる男って嫌じゃない?俺的にはカッコイイとこ見せたいんだけど」
「気にしないで甘えてください。過去がどうあっても今の貴方がいるじゃないですか」
「そう…かな」
「人に頼る事を我慢してきたんでしょう?」
「…」
「耐え抜いてそれでも、辛くて。なら、頼ってください。辛くてしょうがないなら吐き捨ててください。」
「いや、でも…」
「どんな事も報告連絡相談です。それは貴方が決めた事じゃないですか」
「過去の事も?」
「過去なんかどうでもいいんですよ。もう終わった事なんです。過去と言う、現実ではなく、未来と言う夢を見てください」
「中々いい事言うね」
「過去の事で、未来が見えないなら、これが嫌だって言うなら、それで、いいんです。人は皆、嫌な事や怖い事の一つや、二つありますよ」
「…お前は何が言いたいんだ?」
「結論は、貴方の過去がどうあれ、私は貴方が、貴方自身が好きなんです」
「ティル…。ごめん…。ごめん…!怖かった!嫌だった!死にたくて!死にたくてしょうがなかったんだ!」
「はい。なら、めいいっぱい私に甘えてください」
「ああああああああああああああああああああ!」
三十分後…。
「寝ちゃいましたか」
その、寝顔は可愛くて、でも、やっぱりカッコよくて。
「好きです。私は貴方がどうあれ、貴方に一生ついて行きます」
私はフレム様の頬に、キスをした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます