第6話

目的地に着いた俺は、その家のドアを叩く。


「はーい!」


「フレム・リティアです」


「お待ちしておりました。どうぞ」


ここは、家系の人全員、水属性を持つ

ウォード家。

今日はここに訪問しに来た。


「どうもフレム様。私は、フリア・ウォードです」


「よろしく。フリア」


フリアはウォード家の長男で、水、氷属性を持っている。


「実は、次のライシス団選抜何ですけど」

ライシス団選抜。


それは一部の、力の持った奴しか出来ない。これに優勝すると、ライシス団の一員になれる。だが、これはあえて、表向き。


ライシス団は、敵のブラスレト団と戦う。

だからいつも死と隣り合わせであり、あまりいいものとはいえない。

だから、俺はライシス団選抜には二位で止まるつもりだ。


「どうですか?僕と実力勝負と行きませんか?」


「何で〜?」


めんど〜。


「まぁ、聞いてくださいよ。僕はライシス団になるつもりなんて無いです」


「うん」


「だから、本気で、挑みたいんです」


「良いよ。でも、お互い、隠してる技は使わない。これでいいか?」


「はい」


外に出て、戦う準備をする


「制限時間は一時間。相手が戦闘不能、降参したら、やめな」


「はい。では、参ります!」


俺は、相手の様子を見る。


「ウォーター」


水で、剣の形を作る。

そして、それを凍らせる。


「アイス」


なるほど。氷属性は本当は微魔法だから、それを使えるとしても、凍らせる事しか出来ない。


なら、水で形を作り、凍らせるのか。そして、水、氷は炎属性に強い。

そう、伝えられてる。

だが、それは、魔力の強さによる。

強ければ氷さえも溶かし、蒸発する事も出来る。

つまりこの試合、魔力の多いやつの勝ちだ。はぁ…。しょうがない。

少し、本気出しますか。


「ファイヤソード」

剣の形をした火をだす。


「なるほど。溶かすつもりですか」


「あぁ」


「でも、残念でしたね。氷の方が強いと言われてるのですよ。この試合僕の勝利です。レイン!」


雨が降る。火が消えそうになる。

「はぁ、仕方ない。フレムソード」

「何してるんですか?」


俺は火力を大きくして炎の剣を作る。


「はぁぁぁぁ!」


俺は投げて、ウィンドで炎を広める。


フレアは氷を作りガードする。


俺はフリアの作った氷を溶かし、溶かされ出た水を蒸発させる。

「なんで…!?」


フレアは後ろへ下がりもう一度氷を作る。

その前にフレムで炎を投げウィンドで方向転換し後ろにぶつける。


だが、後ろにも氷を作っていた。


俺は剣を出し、氷に刺す。

そして、出来たほんのわずかの隙間に炎を差し込む。


氷が溶け出し、見えたその刃先はフレアの髪の端の所に刺さっていた。


「フレム様の勝ち」


「審判ありがとうティル。さて、早く帰ろうか」


「ダメです」


反対された。


「強いですね」


「まぁ、ね」


「強いのに何故それを表に出そうのしないのですか?」


「過去にちょと…」


それは転生する前に起きた、事件。

俺が自殺しかけたあの今でも、吐き気のする、あの…!


「フレム様?」


「あっ…!悪い。取り乱した」


「今日はもう、ゆっくり休みましょう。」


「あぁ」

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