第6話 デート?

 現在時刻は9時半


 俺が桜の感情に気付き、一か月ちょっとが経ち6月上旬、あれから俺は正直何にもできなかった、もうヘタレフミとでも何とでも言え!


 今日は日曜日、今週はテスト期間だったので、今日はほかのクラスメイトは遊びに行くらしい、


 だが俺にはそんな奴はいない!

 いるにはいるのだがそいつは部活だ。


 こういう時に桜でも誘えたらいいのだろうが、あいにく俺はさっきも言った通り『ヘタレフミ』なのだから。


 そういうことを考えながら、一人で朝食分の皿を洗っていた


 まぁ、こういう時にこそ何か起こるもので、、


『ピンピーン』


 俺は驚いて皿をシンクに落としてしまった


「ガシャン!」


 幸い割れていないようだ。


 俺は急いで玄関へ向かう、


「おはよう、桜」


「おはよう、フミくん。」


 予想通り桜が扉からのぞいてきていた。

 今日の服装は白色のシンプルな半袖のシャツに茶色のチェック柄のスカートを着こなしている、シンプルだが相当見栄えがいい。


「で、どうしたんだ?」


「えーと、、私と、、、デ、、お出かけしてくれないかな。」


 デートと言おうとしていてた気がするが気にするだけ無駄だろう。


「お、おう、いいぞ。」


「やった、どこ行く?」


「決めてねぇのかよ。」


 俺はついツッコんでしまった。

 どこへ行くかか、別に俺はどこでもいいし、俺は桜と居れたらどこでも楽しいだろう。


「そうだ!水族館いこ!」


 ちょっと悩んだあと桜が声を出した


「水族館か、楽しみだ。」


 中学の最後にショウといったのが最後だったので、逆に新鮮に感じる。


 というか、女子と二人きりで出かけること自体初めてなので少し緊張してしまう。


 ――――――――

 

 俺と桜は現在、電車に揺られている


 近くに水族館があったが改装工事中だったので、京都まで行くことになった。


「京都まで結構かかるね」


「あぁ、近くのとこが改装工事してなければな。」


 まぁ、俺からしたら一緒に入れる時間が長くなるから結果オーライだがな!


 そんなことを思いながら、ガタンゴトンと電車に揺られた。


 ――――――――


「京都にとうちゃーく。」


 俺は駅に降り立つと同時に背伸びをして固まった体をほぐす。


 桜もおんなじことをやっていたがその時は胸が強調されてしまい、俺はすぐに目をそらした。


「さぁ、行こうか。」


 俺らは水族館へ歩みを進める。



 駅から十数分歩くと水族館が見えてきた、おしゃれな建物だった。その前には人の列があった。


「並んでんなぁ、早く行こうぜ。」


 俺もテンションが上がっていた。俺は列の最後尾に向かって走り出した。


「あっ、待って、、」


 桜は出遅れたように走り出す、しかし追いつけなさそうだ。


「桜追いつけそうか?」


「ちょっと、無理かも。」


 そういわれたので俺は無意識のうちに桜の手を引いた。


 桜の顔は季節外れの桜色で綺麗だったが、前を向いていた秀文は気づく由もなかった。


 ――――――――


「ここってオオサンショウウオいるんだ」


中に入ると最初にオオサンショウウオがいた。


「へー、みてみてオオサンショウウオっておっきいんだね。」


 『サイズを比べよう!』というコーナーで比べていた、小柄な桜は160cmぐらいのぬいぐるみと同じかちょっと低かった。その時に案外低いなという目で見てたら、ポコポコ殴られた。


「アザラシかわいい。」


桜は目を輝かせながらアザラシを見ている


「あぁ、鼻セレブと同じぐらい可愛いな」


「どんな例えなの⁉」

 

 たとえが悪かったのか桜にツッコまれてしまった。


 俺らはペンギンの水槽の前にいる


「フミくん、一緒に写真撮りましょ」


「お、おう。」


 俺は一瞬不意を取られた。

 とりあえず、そこらへんにいた方にスマホを渡して、お願いしてきた。


「じゃあ、ポーズとろうぜ!」


「うん!」


『カシャ』


「「ありがとうございました」」


俺はスマホを手元に戻す、

 スマホの画面にはペンギンのポーズをとった可愛い桜と、同じポーズだが少し残念感が漂っている俺がいた。


「じゃあ、送っとくよ」


「うん、ありがとう」


そういって俺らはペンギンたちにくぎ付けになっていた。


 ―――――――――――


「楽しかった~」


「そうだな、時間はまだあるしどっかほかのとこ行くか?」


 俺らは水族館から出てベンチに座っている、時刻は3時を過ぎていた


 あの後はクラゲコーナーでいやされている桜を見て癒されてたのだがイルカショーが始まると聞き急いでイルカショーへと向かった。


「うーん、今から帰ったら大体帰るのは五時ぐらいになりそうだから帰ろうか。」

 

 そういう桜の顔は残念そうな表情をしていた。


「じゃあ帰ってからゲームするか」

 

 正直俺ももう少し一緒に遊びたかったので誘った。


 桜は喜んだような表情に変わった。


「そうする、でももう少しこうしてたい」


「いいぞ」


 そういうと桜が俺の肩に頭を預けてきた。

 

 俺の心拍数が急増した。桜の頬も赤みがかっていた

 

 その姿勢のまま時間が過ぎていった。


 ―――――――――


「・・・・・・」


「うりゃ、くらえ。」


「・・・・・・」

 

 相変わらず桜はゲーム中は無言のようだ、

 だが、いつもと違うのはミスが多すぎるということか、俺もそうなのだが、そんな感じで今日の一日が終わった。



「じゃ、また明日」


「うん、また明日」

 

 桜が帰り、少し落ち着いたとき、俺はこれデートだったくね?と思い、心拍数がまた上がった。


===============


 今日はとっても楽しかったです


 勇気を出して誘った甲斐かいがあります!


 彼女の開いたスマホの画面にはペンギンのポーズをした二人の写真があった。




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