小説 異世界ファンタジー タイトル 孤独死したぼくが異世界で成り上がり【無双】して幸せに暮らす

第24話 コンの正体

「コンさん。ただいま。お話があります。」

「おかなりなのじゃ。」

　コンが抱きついて一人でお酒を飲んでいたようだ。ご機嫌な様子だ。

「話とはなんじゃ？」

　ニコニコしながら聞いてきた。

「とりあえずリビングに行きましょう。」

　リビングに行くと、机の上にワインとおいなりさんがおいて合った。おいなりさんをおつまみにワインを飲むのは見慣れた光景だがよく考えるえと合わなそうである。ワインにはチーズやベーコンが会う気がする。だがコンは必ずおいなりさんを要求してくる。

　「コンさん、おいなりさんとワインって合わないと思うのですが。」

「何を言うのじゃ、愛情抜群じゃ。この少し甘いおいなりさんをワインで流し込むのが最高なのじゃ。」

「そうですか。」

「話というのは、ワインとおいなりさんの話なのか？」

　ついつい話が逸れてしまった。とりあえずエンジュさんと話したことをコンに報告しよう。

「今日エンジュさんに言われたんですけど、今後のギルドの方針を決めなくてはいけないと。」

「ほぉ、方針を決めるとな。」

「はい、コンさんはこの界隈の事に詳しいですか。」

「主様敬語じゃな。」

「大切な話なので。」

「そうか。それなりに知っていると思うぞ。」

「４神獣って知っていますか？」

　コンの顔が少し曇った感じがした。

「まあ、知っておるよ。」

「そうですか。４神獣のうちの一角の九尾さんが居なくなったから最近この領土のバランスが崩れているそうです。」

「ああ、そうなのか。どこに行ってしまったじゃろうな。」

　知らんぷりをしている感じだな。

　「どこに行ってしまったんでしょうね。バランスが崩れている状態で他の領土から責められたら戦争になってしまいますね。」

「大変じゃな！」

「他人事ですね。ぼくの近くに尻尾が９本ある子いるんですよね。」

「へー。そうなのか。」

「コンさん、４神獣の九尾さんですよね？」

「いや、あの。その。」

　とても部が悪そうだ。

「教えてください。」

「そうじゃ。」

「やっぱりそうですよね。」

「違うんじゃ。隠すつもりは無かったんじゃ。言い出すタイミングが無かったというか。言ってしまったら怖がられてこの生活がなくなってしまうじゃないかと思ったり。主様に嫌われてしまうんじゃないかと考えたら言えなかったのじゃ。隠しててごめんなさいなのじゃ。」

　コンの耳がペタと垂れて、悲しそうな顔をしている。別に神様でもなんでも嫌ったりする事はないんだけどな。

「そうだったんですね。嫌いになったりしません。」

「本当か？」

　耳が少し立ち上がった。

「本当です。コンはコンだからね。一緒にいますよ。」

　耳がピンと立ち上がって抱きついてきた。

「本当か！！！嬉しいのじゃ。」

　しばらく抱きついたままだった。

「しかし、コン神様だったんだね。神様だからコン様になるのかな？」

少しイジりたくなって言ってみた。

「そうじゃ。コン様じゃ。」

　なんで満更でもないなさそうな顔をしているんだよ。

「まあ、冗談抜きでいうと本当の神様ではないのじゃよ。」

「どういう事ですか？」

「周りが神様として崇めてくれていただけで、神様ではないという事じゃ。もう生まれた時の記憶はないが、わしら４神獣は神様からこの地を平和に導くように言われて混沌としていたこの大地をおさめたのじゃ。もうずっと前のことで思い出せないがな。」

「うーん、じゃあ神様の使いという事になるんですかね？」

「そう言うことじゃな。だから人間ではないのじゃよ。」

　コンが少し悲しそうな表情をした。

　「コンが人間じゃなくてもぼくは一緒にいたいですよ。」

　笑顔の花が咲いた。

「主様は女たらしじゃな。」

「ほめ言葉として受け取っておきます。話は戻りますがこのままではまずいですね。」

「まずい？」

「ええ、コンさんの正体が４神獣なのは問題ないです。ただ領土のバランスが崩れて魔物たちが暴れているのは事実ですよね？」

「確かにそうじゃ。じゃがな少しおかしいのじゃ。」

「何がですか？」

「わしら４神獣は表向きは、それぞれ敬遠しあっている事になっておるが、本当は仲良しなんじゃ。」

「え？そうなんですか？」

「そうじゃ、この大地を収めるときにみんなで決めたのじゃ。全員が仲良しな状態だとこの領土が発展せずに周りの魔王たちに滅ぼされてしまうかもしtれない。だから皆敵同士であることにしようと。」

なるほど、納得がいった。この領土は内戦が起こっている状態のはずなのに平和だったのはそういことか。うまくコントロールしていたんだな。

「じゃから、正直わしが消えても問題ないかな？と思って主様についてきてしまったのじゃ。」

　ニコニコしている。

「いや、問題だろ。遠回しにぼくのせいじゃないか。」