第23話 4神獣の正体と旅立ち
平和な日常にもかなり慣れてきた。人はないものねだりな生き物だ。平和に慣れすぎるとその幸せに気づくことができず、刺激を求めるなってくる。
コンと二人で暮らして、二人で寝る日もありとても幸せな気分だ。前世で孤独に死んだ自分が遠く感じる。ただぼくはやはり気になっていることが、この幸せはいつまで続くのだろ?このまま二人でこの町で暮らすことが幸せなのだろうか?つまりは先のことが不安に感じるのである。人生は強制イベントのようなことが必ず起こるものである、多分この世界の強制イベントは戦争だ。もし大きな戦争が起きたときにぼくは町やコンを守れのだろうか。
漠然とした不安を抱えながらも楽しく暮らしているある日にエンジュに呼び出された。
「オラシオンすまない、急に呼び出してしまって。」
「全然大丈夫ですよ。どうしました?」
コンは今日お留守番をしている、一緒にくるか?と聞いたが「今日は眠いのじゃ。」と目を擦りながらベットに戻って行った。
「急で申し訳ないのだが、今後の活動方針を決めなくてはいけなくなった。」
エンジュさん随分と深刻そうな顔をしているな。
「活動方針と言いますと?」
「これまで俺が近隣に現れた、魔物を退治したりして平和を維持してきたが、正直このまま今の状況が続けば確実に大きな戦争が起こる。言うならば今この「4神獣の領土」は内戦が起きているようなものだ。」
「そういえば均衡が崩れたと言っていましたね。」
「そうだ、今までは4神獣がそれぞれを敬遠していたから均衡が保たれていた。しかしその一角が崩れバランスが崩壊している。この状況は魔王領などが攻めやすい状況だ。」
つまり内側も外からの攻撃にも弱い状況になっていると言うことか。いや待てよそもそもぼくはあまり4神獣に関して知らない。
「エンジュさん、そもそも4神獣ってどんな方なのですか?」
「4神獣は
・水を司る青龍
・風を司る白虎
・雷を司る朱雀
・炎を司る九尾
この4人で構成されている。この4神獣の争いの中で生まれたのがこの領土だと言われている」
「じゃあ、神様のような存在なんですか?」
ん?九尾?
「そうとも言えるな。ちなみに人の姿にもなれると聞いている。」
「そうなんですね。あの、性別って分かります?」
人の姿になれる?
「変なことを聞くな。全員女性だそうだ。」
「へー。なるほど。ちなみにいつ頃から九尾は姿を消したんですか?」
「詳しくは分からないが、数年前から表に出てこなくなったと言われていて。数ヶ月前に完全に魔力が消えたと言われている。」
「そうなですね。つまり九尾が消えなければこの事態にはなっていないと言うことですね。」
「なぜ九尾が消えたと分かる?俺は均衡が崩れたと言ったが九尾が消えたとは言っていない気がするんだが・・」
「なんとなくです。」
ぼくの中で何かが確信に変わった。
「エンジュさん、すみません。急用ができてしまったのでこのお話また明日続きを話してもいいですか?」
「ああ、いずれにせよ。均衡を取り戻さなければいけないと思うがなかなか困難である事は間違いない。」
ぼくの感が正しければ責任をとって、この状況をなんとかしなければいけない気がする。急足でぼくは家に戻った。
「コンさん。ただいま。お話があります。」
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