第11話 コン

今の状況を整理しよう

おいなりさんをコンにあげた。

実はコンが小さい頃からぼくを守ってくれてた。

整理すると簡単だが、色々疑問が残る。


「何で、コンはぼくを守ってくれてたの?」


少し顔を赤くしながら答えた

「いやの、主が可愛くて。」


「キツネが人間をみて可愛いと思ったって事?」


「そうか、キツネの姿のままじゃった。」

コンが立ち上がった次の瞬間。

目の前に、白髪で髪が長い可愛い女性が現れた。


一目惚れした。そして目が離せなくてしばらく停止した。


「主、主!オラシオン!!」


コンの呼びかけで、我に返った。

「人間?」


「私はキツネの姿にもなれるけど、この姿が本来の姿なのじゃ!」


驚きと合わせて、もう一つ気がついてしまった。コンは服を着てない。

それに気づいた瞬間、なんだか恥ずかしくなって顔を真っ赤にし、目を背けた。

指の隙間からコンの顔をみた。


楽しそうにからかううような表情をしてこう言った。

「なんじゃ主、照れとるんか?私の事をみて照れとるか?」


図星で何も言えない。絞り出すようにこう言った。

「服を着てください!服を!」


「えー、どうしようかの?」

明らかに楽しそうにしている。

「まあ、このままだと主が話せなそうだから服を着るかの。」

魔法で服を纏った。和風な雰囲気もあるが異世界風の服でもある。


「ありがとうございます」

気づいたら敬語になっていた。


「お話を戻しますが、なんでぼくを見守ってくれてたんですか?」


顔を真っ赤にしてコンが答えた。

「だから、さっきも言ったじゃろ!可愛かったからじゃ。」


さっきも同じ事をキツネの姿で言われたが、今目の前にいるのは綺麗な女性。

同じセリフだが大分、印象が変わってあせる。

男として可愛いと言われるのは複雑だが、褒められてるのか?

「可愛いですか。」


コンが焦りながら答えた。

「最初は可愛いと思ったんだけど、努力して成長していく主を見ていたら、かっこよくて好きになってしもうたのじゃ。」

コンが言ってしまった。見たいな表情をした後に、もうやけだと言う感じで続けた。

「主が旅立つのを知って、居ても立っても居られなれなくて出てきてしまったのじゃ。おいなりさんも美味しそうだったし」


え?じゃあぼくの事を好きで、最後のお別れを言うために今目の前に出てきたのかな?

それともおいなりさん目当てか?

「その事を言うために、最後に会いに来てくれたんですか?」


「最後・・・。。」

何か焦って、悲しそうな表情をしている。



「一緒にいたいのじゃ。」

コンがボソッと言った。


あ、ぼくは察した。お別れをするのが嫌で着いてきてくれると言うことではないか?

こんな美人が旅のお供をしてくれると言うことか?

「一緒に来てくれる?」


コンの顔が一気に明るくなって答えた

「いいのか!!!!もちろんじゃ!!!」

コンが抱きついてきた。とても嬉しそうだ。

「じゃあ今日から、主様じゃな!!!」


「主様はやめてくれよ。よろしくねコン」

「よろしくお願いしますなのじゃ!」

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