第14話:疫病神だな。

二階の俺の部屋のベッドでメルバと、ここに書くと倫理規定委員会とか

教育委員会なんてところからクレームが来るようなことを前から後ろから横から

上から下からやらかしていた。


「ちょっと・・・おいケイスケ」


ピーチが小声で言った。


「なんだよ・・・めっちゃいいところなんだから、止めるなよ

黙って寝てろよピーチ」


「ドアの外にいるぞ・・・あのふたり」


「え?・・・うそ・・・まじで?」


「まじで・・・いるって、ドアの外で聞き耳立ててるよ」


「なんでそんなことが分かるんだよ・・・」


「ドアの外が透けて見えるからな、俺・・・」


「透けて見えるだって?」


「おまえ、そんな特技があるのかよ」


「人は見かけによらないだろ?、俺は目はいいんだ」


「そんなのどうでもいいから・・・」

「ケイスケ・・・ねえ手もクチも、あれも止まってるよ・・・」


「メルバ、ちょとブレイクタイムだ・・・」


「ドアの外に、いるってよ」


「どうせザッハトルテとミルフィーユでしょ」


「え、メルバもドアの外が見えるのか?」


「そんなの私たち以外にこの家には、あのふたりしかいないでしょ・・・」


「たしかにな・・・」


「あいつら、どうせ俺たちがエッチいことしてんの確認でもしに来たんだろ?」

「つうか・・・興味本位の覗きだな・・・」


「誰がいたっていいじゃん・・・続きやろうよ」


「気になってできないだろ・・・」


「平気だよ・・・悪いことしてるわけじゃないんだし・・・」


「そりゃそうだけど・・・」


「ザッハトルテとミルフィーユがドアの外にいるって思ったら・・・

しかもあいつらに様子見られてると思ったら・・・なんかさ・・・」


「なんで、あいつらの見せもんみたいなことしなきゃいけないんだよ・・・

金取るぞ・・・」


「イヤなら、おっばらっちゃえばいいじゃん」


「今、それをやろうと思ってたんだよ」

「ちょっと待ってな・・・」


俺はそう言って、そっとドアに近づいて耳を当てた。


「ピーチ・・・人の気配感じないけど・・・」

「バカだな・・・部屋の中で話してたこと外のふたりに全部聞かれてるよ」

「とっとといなくなってるよ」


「あ・・・そうなのか・・・声デカかったか?」


「向こうは聞き耳立ててんだからな・・・バレるに決まってるだろ?・・・」


「くそ〜逃げやがったか・・・ひとこと文句言ってやりたかったんだけどな」


「ケイスケ・・・どうでもいいから・・・早く来て・・・」


「分かった、分かった・・・」


あいつらに水を差されたけど、改めてメルバとエッチの続きじゃ。

これで安心してできる・・・って思ったんだ・・・。


「ケイスケ・・・また来てるぞ、あのふたり」


「またかよ・・・」


俺はまた、そ〜っとドアに近ずいて、思い切りドアを開けてやった。


「おまえら、何、こそドロみたいなことやってんだよ」


するとザッハトルテとミルフィーユは豆鉄砲を食らった鳩みたいに・・・

目をぱちくりさせて固まっていた。


「これはこれは・・・たまたま通りかかっただけですよ、ケイスケ殿 」


「なに言い訳してんだよ・・・とっくにバレてんだよバーカ」

「そんなに俺たちが、やってることに興味あるのか?」


「いや、姫の動向はちくいち、陛下にご報告せねばなりませんゆえ・・・」

「不本意ではありますが、やむなくでございます」


「なにが、やむなくだよ・・・こんなことは報告しなくていいんだよ」

「年寄りは、とっとと寝ろよ」


「お言葉ですが、ミルフィーユはまだ若いですけど・・・」


「どうでもいんだよ、そんなこと」

「報告しなきゃいけないんなら、見るか?」


「大変失礼つかまつった」

「ミルフィーユ・・・行きましょう」


ザッハトルテは何にもしてませんてな顔して、自分たちの部屋にこそこそ

帰っていった。


「ケイスケ・・・邪魔者は退散したんでしょ」

「続きやろうよ・・・途中でやめたから、ムラムラが止まらないよ・・・」


「なんか・・・萎えちゃったな俺・・・あいつらのせいでテンションだだ下がり

だわ・・・」


「メルバ・・・今夜は悪いけど・・・エッチボツにしないか?」


「ボツ?・・・ボツって言った?・・・ボツって?」


「途中まで人を淫らな女にしといて?・・・ボツにしろって?」


「だってさ・・・」


「・・・もういい、そんなこと言うなら、ずっとエッチさせてあげないっ」


「え〜っ、俺のせいか?」

「つうかさ、俺はいいとして、ずっとエッチしないってメルバが我慢できない

だろ?」

「血、吸いたいだろ?」


「もう、めっちゃムカつく・・・」

「キラいっ・・・ケイスケなんて大っキラい・・・」


おいおい、せっかくいい雰囲気に戻ってたのに、なんだか雲行きが怪しくないか?

あのふたり・・・疫病神だな。


つづく。

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