第13話:サケってなに?

あのさ・・・メルバって最初は小さい女の子だっただろ?

で、今の大きさになったよな・・・あの時は9才くらいって言っただろ?

それから、大きくなって・・・たしか今は二十歳って言っよな?


「そうだよ・・・」


「ほんとのところは何才なんだ?」


「だから二十歳だよ・・・」


「まだ未成年ってことはないよな・・・」


「今年のはじめに成人式したもん」


「ほ〜・・・日本と同じでそういうのはあるんだ・・・」

「そうか・・・じゃあ、大丈夫だな・・・酒」


「サケ?」


「サケってなに?」


「ベヴァンデラのことだよメルバ・・・」


「ああ・・・それを地球じゃあ、サケって言うんだ」

「ピーチ、ありがとう」


「どういたしまして・・・」


「おまえら、仲がいいと逆にキモいな・・・ 」


「ほんとは仲がいいんだよ俺とメルバは・・・」

「じゃないと、こんな女とくっついてなんかいられないだろ」


「なによ、こんな女って・・・バカピーチ、クソピーチ」


「おお・・・やっぱり、それが、おまえらにはお似合いだわ」


「そうか・・・メルバもう酒、飲めるんだ・・・」

「じゃ〜パーっと飲みに行くか・・・」


「いいですな・・・」

「私どもも、ご一緒させていただきましょう、なあミルフィーユ?」


「はい、ザッハトルテ様」


「げげっ、いつの間に・・・油断も隙もないな」


「外飲みの話でしょ?」

「ベヴァンデラは久しぶりですからな・・・」

「さっそく、繰り出しましょう」


「つうかさ・・・ミルフィーユは成人してるのか?」


「立派に成人しておりますよ・・・まだ童貞ではありますが・・・」


「ザッハトルテ、なに勝手なこと言ってるの?」

「今夜はダメだよ・・・」


「え?どうしてでしょう?」

「夕方ですし・・・飲みにでかけるには丁度いいではありませんか?」


「朝でも日中でも夕方でも、夜中でも、今日はダメなの?」


「なんでダメなのか理由がはっきりしませんと納得いたしかねますな・・・ 」


「バカ・・・今夜はケイスケとエッチするからだよ」


「あ・・・なるほど・・・さようで・・・」

「それは、いたしかたありませんな」

「血を吸う時期にさしかかっておりましたか?・・・失礼いたしました」


「そういうことみたいだからよ、ザッハトルテさん」

「飲みに行くのは明日だな・・・明日でよけりゃ、俺の知ってる居酒屋に

連れってやるよ・・・それでいいだろ? 」


「御意」


ってことで、エッチはたしかまだ6日ぐらい先の話なのに、いつの間にか

今日ってメルバに決められてるし・・・また血を吸われるのかな。

なんかそれをどこかで期待してる俺がいる・・・。


最近はメルバと一緒に風呂にも入ってる。

メルバが、どうしても一緒に入るって聞かないからな・・・。


「ひとりで風呂に入ったほうが、ゆっくりできるだろ?」


「イヤなの・・・ケイスケと一緒に入りたいの・・・」

「ケイスケはイヤなの?」


「そんなことはないけど・・・・ピチピチギャルのスッポンポン見れるしな・・・」


「スケベ・・・いい方がいやらしいから・・・」


「目、つぶすぞ・・・」


「ピーチ・・・手もないくせにどうやって目をつぶすってんだよ」

「おまえこ、桃缶にして食っちまうぞ」


「もうやめて・・・ゆっくり入ろうよお風呂」


メルバの体はプリプリしている・・・およそダイエットなんてものには

興味がないらしい。

俺は激ヤセなんて女より、それなりに肉付きのいい女のほうがいい。

だいいち健康的でいいじゃん。


まあ、メルバは飯もそんなに食わないけど、痩せたりはしない。

それは、血を吸うことと関係してるのかもしれない。

血さえ吸ってれば、充分栄養は取れてるんだろう。


いったいメルバは血を吸わないでどのくらい体が持つんだろう?

もし誰も血を吸わせてくれる人がいなかったら、メルバは死ぬのか?


無人島でひとりになったら最悪だな。

核戦争とか起きて、この地球にメルバしか生き残らなかったら・・・。

ほんっと、バカみたいな俺の妄想・・・。


それよりも俺はメルバがいるかぎり一生他の女とは、もう恋愛できないのかな・・・

それって、めちゃもったいなくないか?

いかんいかん・・・浮気なんかしたら殺される。


風呂から上がったメルバはふつうにトマトジュースを飲んでいた。

パンツ一丁で・・・おっぱいほり出して・・・腰に手を当てて。

まあパジャマ着たって、すぐ脱がすんだけどな。


「あれだけトマトジュース嫌がってたのに、飲んでんじゃん」


で、トマトジュースを飲んだメルバは迷わず二階の俺の部屋のベッドへ・・・。

今夜も寝かせてもらえない夜がはじまるのか・・・。


つづく。

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