第24話
駅のロッカーに読みたい本を詰め込んだまま、何日経っただろう。
ロッカーを開けて、思った。
旅行に携わる仕事もいいかもしれない。
あの日、よくも考えもせずツアコンだの旅行代理店だの、さすがにキャビンアテンダントについては言及しなかったが。
遠くに行きたい。でも違う。前の家に帰りたい。それもある。
いやあの地域そのものに帰りたい。壮大なホームシックだろうか。高校生の時にカナダに旅をした時、強烈なホームシックが、友人たちだけに起き、自分はケロリとしていた。
あの地域に帰りたいんじゃない。
あの頃の彼との状態に戻りたいんだ。
ケンカしたわけじゃない。でも仲直りだ。
もしくは乗り越えたい。
いろんな言葉が嫌になった。乗る。またぐ。BL漫画は読むのに。なんてこと。いざ、自分の身に降りかかったら、大切な存在も押しのけて。
手前までの行為をかいつまんだ。
こう言う表現なら、具合が悪くならずに済む。
彼とは今日、会うつもりだ。場所は、
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