第34話 RINGコラボ配信! ファミールクイズ 初配信編 part4
「それでは、第二問目に行こうと思います。次は、誰の配信が流れるのでしょうか…。こちらをご覧ください」
できれば、早めに終わらせたいし、また最後っていうのもちょっと嫌だから、次は俺がいいんだけど…。
さあ…、俺かもみじさんかどちらか…!
——————————————————————
「…み、皆さんこんばんは。今日、ファミールにデビューしたRINGの和泉もみじと言います。…よ、よろしくお願いします!」
……
……
……
「次に、私の好きなファミールメンバーですね。私の好きなメンバーは…椿のぞみ先輩です。のぞみ先輩は、私が初めて見たVtuberの方でもあるので、本当に思入れのある先輩なんですよね。あの、明るい笑顔に、元気な姿、楽しそうにゲームをやっているところ…、全部が好きですね。けれど特に、私がのぞみ先輩を知った配信でもある……???のもみじ先輩が一番好きです」
—————————————————————
「ということで、ここで問題です。今見た、もみじさんの初配信の一部の中で、???となっていた、のぞみさんを知った配信とはなんでしょう」
『俺はわかるな』
『簡単や』
『やっぱ可愛いな…』
『あ…わからんかも』
『この、緊張してるもみじちゃんも好き』
『ちょっと難しいか?』
…うん。なんか、なんとなくわかっていたけど、もみじさんの初配信でしたね。
流れ的に、初配信を行った順番で問題を出しているっぽいし、次の最終問題が俺になるということになるんだろう。
この感じだと、問題も難しくなってくるだろうから、むしろラッキーではあるのかもしれないけど…、なんだか嫌な予感がするんだよな…。
……緊張してくるけど、今はこの問題について考えようかな。
このもみじさんの問題を解けないと、始まらないからな…!
…て言っても…この問題ならそこまで難しくはないと、俺は思ってるんだけど…。
「…私はもう書き終わりましたね」
「早いですね。もみじさん」
「…本人なので当たり前ですよ…!」
「うふふっ。どうでしたか?初配信を見てみて」
「…めちゃめちゃ緊張してましたよ。しかも、なんだか変な汗もかいてきて…」
「分かる…わかるよ!もみじちゃん!私も全く、同じ感じだったから」
「やっぱりシズさんもですよね!」
どうやらこの動画を見たものしかわからない、何かがあるらしい…。
そんな風に話してると、こっちが緊張してきちゃいますって…。
俺もスラスラと答えを書いていく。
確か、こんなようなことを言っていた気がするんだよなー…。
「俺もかけましたね」
「私もです!」
「お二人も早いですね。お二人も、もみじさんの配信を見ていましたか?」
「見てましたね」
「当たり前です!同期なので!」
…なんか、さっきのことがあったからか、シズさんは異様にやる気があるみたいだし、自信もあるみたいだな。
「もみじさんの配信はどうでしたか?」
「そうですね…。なんだか、普段とは少し印象が違ったように見えましたね。緊張していたからだと思うんですけど…、なんだかめちゃめちゃ新鮮でしたね」
「私もほとんど同じかなー。でも、めちゃくちゃ可愛くて、ずっと応援してましたね。私は初配信が終わったあとだったので、緊張具合はわかっていたので」
「俺も、見てる時でも緊張しぱっなしでしたね。それでも、もみじさんの初配信には見入っちゃいましたし、面白かったですね…!」
「…も…もうやめてください…!めちゃめちゃ恥ずかしいですから…!」
俺が左を見てみると、顔を赤くして、舌を俯いているもみじさんがいた。
配信画面でも、もみじさんが下を向いているのがわかるぐらいだ。
「いいじゃないですか。褒められてるんですから!」
「そうですけど…」
この感じ…もみじさん、褒め慣れてないな…?
わかる…分かるぞ…もみじさん!
俺も褒め慣れてなくて、今のもみじさんの状況になったら、恥ずかしくなる自信がある。
…なんなら、さっきの楽屋で歌のことについて褒められた時も恥ずかしかったし…。
「そうだよ、もみじちゃん!もみじちゃんは可愛い!」
「そして、面白いし配信の仕方も上手い!」
『もみじちゃんは天使!』
『可愛いー!』
『照れてるところもええな…』
『好きだわーw』
『もみじちゃんは神なんだよなー(推し歴1日)』
『一生推します!』
「…もう…もうやめてください…わかりましたから…」
…もうやめて!もみじちゃんの体力はもうゼロよ!
……
ごめんなさい。ちょっと言いたかっただけです。
もみじさんは恥ずかしすぎたのか、もみじさんは横でヘナヘナになってしまっている。
シズさんが、追加で言っていたから俺もノッた感じなんだけど…なんだか、コメントのみんなも乗っているような気がする…。
なにも見えてないんだけどね。
「…もうそろそろ解答をオープンしていきましょうか。もみじさんが少しかわいそうでもありますので」
と、少し笑いながらいうゆずき先輩。
「…早くいきましょう。そして、レンくんの問題に…!」
「…なんか、ちょっと怖いんですけど」
「いえ…!何もないので安心してください!」
「…そうですか」
…絶対、何かあるよな…。
褒めすぎたか…?褒めるのはいいことなんだけどな…。なんでだろう。
「それでは、解答オープンです!」
シズ: ライブ配信(生誕祭)
もみじ: 生誕祭ライブ
レン: 生誕祭ライブ
「皆さん、生誕祭ライブということで……全員正解です!」
『流石!』
『まだ簡単や』
『同期だなー』
『シズちゃんよく正解した!』
『俺も正解♩』
「まあ、当たり前だよね!」
「そうですね。これは俺でもわかりました」
「流石ですね。もみじさんはどうして椿さんの生誕祭ライブが一番好きなんですか?」
「…えーっとですね…。さっきの動画でも言ってたんですけど、一つは私がのぞみ先輩を知るきっかけになったからですね。そして、もう一つあるんですけど……アイドル衣装ののぞみ先輩が可愛いすぎるんです!あのフリフリで白色のドレスが、のぞみ先輩に合いすぎていて…その上に笑顔もいい…しかも歌や踊りも上手…。最高ですよね…!」
…流石一番の推しなだけあるな…。ここまで熱く話すもみじさんなんてあまり見ないぞ。
「それとー……………。…すいません、ちょっと話しすぎました…」
「大丈夫ですよ。それだけ椿さんが好きっていうことですもんね?」
「…そうです…!」
「ふふふっ。そのまま推し続けてあげてくださいね」
「はい!」
なんだか…今の一瞬のやりとりの時だけ、近所のお姉さんと子供のやりとりを見ているかのように見えたな。少しだけ心が温まった。
意外と、ゆずき先輩ともみじさんの相性とかもいいのかもしれないな。
なんなら、二人のコラボ配信を見てみたい気持ちもある。
「それでは、全員正解でしたので皆さんに10ptが入ります。次の問題が最終問題になりますので…間違えないよう頑張ってくださいね!」
今の俺たちのポイントは、全員が60ptという状態で次間違えたら、優勝は絶対にないということになる。
だから、次の問題は絶対に正解しないといけないという状況なんだけど……
俺はもう勝ち確じゃないか…!
なんてたって、流れ的に次の問題は俺の初配信からの切り抜きだし、間違えるはずもないと思うから、みんなの前で自分の初配信を見るという羞恥心に最後耐えてしまえば、100%で勝てるのだ。
羞恥心に耐えれば…。
ただ、シズさんともみじさんが正解すれば、全員で優勝ということになると思うから、それでもいいなとも思っている。
そっちの方が、みんなが嬉しく終わることができるしね!
「それでは…、最後の問題にいこうと思います。最後はお分かりの通り、レン君の初配信からの出題ですね」
ついに俺の問題か……。
うん、緊張してくるな!
さっきまでは覚悟を決めていたはずだし、二人の問題の時も楽しく解くことができていたけれど、いざ自分の場合となると一気にくるな…。
自分の初配信を同期と先輩、視聴者のみんなに見られる…。
…緊張が増してきてしまうから、早く流して終わらせてほしい…。
「…準備もできているみたいですので見ていきましょうか。皆さん、頑張ってくださいね!では、こちらをご覧ください!」
———————————————————————
「あー…あー…聞こえますか?」
………
「まずは、名前とユニット名ですね。ユニット名はもう、俺の前の二人から聞いているとは思いますが…、この度ファミールの新メンバーとしてデビューすることになったRINGの宇多黒レンと言います。皆さんよろしくお願いします!」
…….
——————————————————————-
「「書けました」」
「……え…?」
俺たちが、問題の動画を見ていて、ちょうど問題となる場所が流れるであろうあたりで、シズさんともみじさんがいきなり書けたことを伝えてきた。
そのため、動画が一度止まる。
……書けた?
……答えを?
『草』
『なんでもうわかるん?w』
『けど俺もなんとなくわかるかもw』
『多分あれだろw』
『昨日空気が凍ったやつだな』
『www』
「お二人とも早いですねー。流石です」
「…いやいや!ゆずき先輩もなに普通にしてるんですか!まだ問題の部分もわかってないですよ!」
なんで、問題もわかっていないのに二人はかけているんだ…。俺でさえ何もかけてないぞ。
それに、それを聞いても普通でいるゆずき先輩も、なんで疑問を持たないんだよ…!
「でも、お二人は書けたって言ってますし…」
「……シズさんともみじさんはどうして分かったんですか…?」
俺は一度落ち着いて、二人に聞いてみることにする。
本当は勢いよく、なんでなのか聞きたかったんだけど……今は配信中だからな。それをギュッと押さえつける。
「だってー…レンくんだったら、もう一択……それか二択なんじゃないかなって思って」
「そうですね。私的には、やっぱこれなんじゃないかなって思ってます
「……俺だったら一択……、….これなんじゃないか……」
…な、何を言っているんだ…。
俺からしたら何もわからないぞ…。
「私たちもこれが絶対合ってるとはいえないけどね。まだ問題も見てないし…!でもレンくんだったら…これかなって!」
「私も 多分ファミールだったらここをクイズにしてくるかなって思ったんですよね!…反応も面白そうですし…」
………うん?
「まあ、まだ動画が見終わっていないので、一旦最後まで見てみましょうか」
…待てよ。
なんだか知らないけど、めちゃめちゃ嫌な予感がしてきたんだけど。
…なんだったら、俺も……わかりたくなかったが、わかってしまったきが…。
「それでは、ご覧ください」
——————————————————————-
「あー…あー…聞こえますか?」
………
「まずは、名前とユニット名ですね。ユニット名はもう、俺の前の二人から聞いているとは思いますが…、この度ファミールの新メンバーとしてデビューすることになったRINGの宇多黒レンと言います。皆さんよろしくお願いします!」
………
「次はー…えー…ちょっとここでね、さっきまでは真面目感じだったけど、ここで一旦おふざけを入れます。えーー…ダジャレです』
「結構自信あるダジャレだからね!受けるかどうかわからないけど…」
「ごほん…、では言ます。……?????!!」
——————————————————————-
「と、いうわけで問題です。動画内で言った、ダジャレとはなんでしょう!」
『マジでこれで草』
『ファミールわかってるわw』
『これをみんなの前で見られる…w』
『本当にこれなんだ!笑』
『おもろいw』
「やっぱりこれだったね!書き直さなくてもよくなったや」
「レンくんの初配信だったらこれですよね…!印象に残ってますし」
「………」
「…あれ?レンくん?」
「……恥ずかしすぎて死にそうです」
……もう…なんなんだよ…!
もしかしたらそうかも…?
でも、これが流れたら恥ずかしすぎるし…流石のファミールさんでもそこを問題にしないでしょ!
と思ったが矢先にこれだよ…。
なんでみんなの前で、自分の言ったダジャレを聞かないといけないんだ…。しかも、それがちゃんと問題になってるし。
そうだよな…ファミールはこういうところがあるんだよな。ここ数ヶ月、ファミールの公式の動画とかを見ていると、なんとなくわかっていた自分もいる。
「まあまあ、レンくん。私たちも同じ気持ちを味わったんだから」
「そうですよ!元気出してください!とても面白かったんですから!」
「……キツイ」
「あー…。これは相当だね」
「…結構面白いんですけどね。このダジャレ。私は好きです」
…なぜだか知らないけど、もみじさんはこのダジャレが好きらしい。
ちょっと嬉しい気もするけど、今は恥ずかしさが勝ってる。
俺は、ゆっくりとゆっくりと答えを書いていく。
もみじさんとシズさんは、問題を聞く前に書いていたから、残りは俺だけ。
ここでずっと、項垂れていても仕方ないからな…。
俺は昨日言ってしまったダジャレを書いていく。
「レン君もかけましたし…皆さんの解答を見ていきましょうか。それでは…解答オープン!」
シズ: 野口英世の愚痴ひでーよ
もみじ: 野口英世の愚痴ひでーよ
レン: 野口英世の愚痴ひでーよ
『キター!笑』
『やっぱこれっしょw』
『レン君と言ったらこれだよね!』
『全員一致w』
『これはわかるw』
「と、いう事で……皆さん正解です!」
「「やったーー!!」」
「………」
…全然喜べないんですけど!?
ちゃんと俺も当たっていたけれど、嬉しいという気持ちが……少しはあるけど、あまり沸かない。
「これで、皆さんに10ptが入るので……同率優勝ということになりますね!おめでとうございます!」
ゆずき先輩がそう言うと、配信画面の方も祝福用の画面に移り変わって、俺たちを祝福してくれている。
『おめでとう!』
『面白かった』
『同率もいいね』
『RINGは仲がいいなw』
『レンくんが離さないけど…おめでとう!w』
「ありがとうございます!本当は、一人で優勝したかったけど…みんなで優勝もいいね」
「ですね!私も、シズさんとレン君と一緒に優勝できて嬉しいです」
「…俺も嬉しいです」
「……レンくん…絶対に思ってないでしょ!言葉に気持ちがこもってなーい!」
「…いや、嬉しいのは本当ですよ?みんなで優勝できたんですし……、でもまだ精神的にきてるんですよ…!」
いつまでやられてるんだろ!って思うかもしれないが、結構くるものだぞ?初配信前から覚悟はしていたけど……自分の黒歴史というものを見て、その答えを書いて、正解してるっていうのも…。
「いつまでもそれじゃダメですよ?私みたいに吹っ切れるのが一番いいです」
「…もみじさん、吹っ切れてたんですね」
「はい!今はもう開き直って、この状況を楽しんでます」
「私も、もうだいぶよくなったかな。二人の配信もあったしね!」
二人はもう、何にも感じていないらしい。
流石のメンタルだ。
でも、俺もそこ見習わないと。
「………そうですよね……!分かりました…」
俺は一旦深呼吸をして、気持ちを整える。
よし…少しは落ち着いたかな。
多分、後々また思い出して恥ずかしくなるんだろうけど…、それは次の個人配信で色々とぶつけようかな…!
「…もう大丈夫です!今は優勝したことを喜びます…!」
「そうじゃないとね!」
「その調子です!」
俺たちは、3人で同率優勝したことを喜ぶ。
3人でってのも、やっぱいいな。
「うふふ。今日の配信で、何度も思うんですけど、本当に仲がいいですよね。いいユニットになりそうです」
「…そう言われると…」
「なんだか、照れますね…」
「…いいユニット…」
俺は小さな子声でそう呟く。
いいユニットにか…。
なれるといいな。
今はまだまだかもしれないけど、いつかは仲がいいグループだったり、一番いいグループだったり言われえうグループになってみたい。
…先はまだまだ長そうだけどね!
ファミールには、いろんな先輩方やユニットがあるんだから。
けど、目標は大きく持っておきたい。
「ちょうどいいバランスを保っていると思います。私は今日一日、皆さんを近くで見ていましたけど、ボケやツッコミ、リアクションとかもそれぞれいい塩梅でとっていがと思います。これからの配信も、3人で頑張ってくださいね」
……ゆずき先輩…。
「「ありがとうございます!」」
最後の最後にめちゃめちゃいいこと言ってくれるじゃないですか…。
最後の方は、少し性格が…と思ってしまったけど、やっぱゆずき先輩は優しい。
今日の配信もスムーズに進行してくれていたし、本当に感謝しかない。
「いえいえ。頑張ってくださいね。…それでは、全てのことをやり終えたので、これで配信は終わろうと思います。これから、RINGの皆さんもファミールの一員として、配信だったり色々と行っていくと思うので、応援してあげてくださいね。ということで、配信を終わろうと思います!ありがとうございました!」
「「ありがとうございましたー!」」
俺たちはそう言うと、口々にバイバイだったり、ありがとうだったりを言っていく。
『おもしろかったよ!』
『ありがとうー!』
『最高でした』
『感謝!』
『ありがとう』
「明日から、個人配信をまた行っていくそうなので、見に言ってあげてくださいね!」
「お願いしまーす!」
「お願いします!」
「お願いします」
俺たちのこの言葉を最後に、配信が閉じて言った。
こうして、RINGコラボ配信は幕を閉じた。
明日からは…個人配信だな!
まずは……振り返り配信でもするかなー。
——————————————————————
お待たせして申し訳ありません!
近況ノートでも言ったのですが、新学期から忙しく、全然かけていませんでした。
けれど、ようやく書き終わったので、投稿します。
急いで書いたので、誤字脱字や矛盾点などがあるかもしれないので、報告よろしくお願いします!
底辺歌い手、たまたま募集中だった大手Vtuber事務所の面接受けたら、まさかの合格しちゃいました @Isogun0307
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