4話

「そもそも、カイ君ってなんでギルド職員になったの?」グレーさんが興味津々の顔で聞いた。


「なんでって…、僕はそもそも冒険者になりたかったんですよ。でも、有名な冒険者みたいなスキルも能力もないからせめて冒険者を間近で見たいなと思ってここのギルドに入りました」カイが素直に話す。


「なるほど、そうだったんだね〜。元は冒険者になりたかったんだ……じゃあ、明日からでもなってみれば?」グレーさんが密かにカイに提案する。


「は?え?あの〜僕の話を聞いてましたか?僕には冒険者に必要なものが何一つとしてないんですよ?」カイにとっては、冒険者になることはまるで夢のような話だった。


「あ、それはめっちゃ分かる分かる!でも…よく考えたら、あんまり必要ないから大丈夫だよ!」グレーさんは曖昧な返事をして、カイの気持ちをなだめようとする。


「なるほど…そうですか。あの、ちょっとズレてますよね、グレーさん?」


突然のグレーさんの提案にカイは戸惑う。しかし、グレーさんがめっちゃ真剣になって、カイの心を掴んだ。


「申し訳ないな、僕、冗談だったんだ。でも、本当、カイ君のことをちゃんと見ているから。」


カイはグレーさんが嘘をついていることを知っていたが、「あ、そっか、ありがとう。うん、言うこと聞いてみようかな!」と、素直に感謝を口にした

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