義母ンヌの企み


義理の両親宅でまたまた食事会


義母ンヌの気合の入った自慢の手料理が並ぶ



「これ美味しいですね!」

「うわぁ~これもすごく美味しい!」



私は料理を口に運ぶたびに、感激しまくった


誤解なきよう最初にお伝えするけど、当たり前ですが義母ンヌは、老舗割烹料理店の料理長ではございません

そりゃあ確かにおいしいけど、本当はここまで大きくリアクションするほどでもないの

なんでここまで感激してるかって?

相手は夫の母親だから!ただそれだけ。


嫁になりたてホヤホヤの私。初めての義母ンヌの手料理ですもの。

芸人並みに『リアクション』しまくった

褒めるポイントも細かく押さえながら、しっかり褒める!

もちろんどんなにサービスしたって時給は0円

それでも、これからうまくやっていきたいという一心で頑張っちゃった



義母ンヌはというと



「あら、そ~お?この白和えはね、本格的に練り胡麻をいれてるのよ

この茶碗蒸しはね、親鶏から出汁をとって、昆布からも出汁をとったの~」




嬉しそうな顔をして、自慢の小技を紹介している

やっぱり自分が作った料理を喜んでもらえるのはとてもうれしいもの

それは誰しも同じだ

私も同じ

義母ンヌもね


多少、大げさなくらい喜んでくれた方が「作った甲斐がある」って感じで。

まあ、そんなこんなで

そうこうしているうちに帰りが遅くなり、

驚くべきことに夫は「お風呂に入って帰ろうかな」などと、ふざけたことを言い出した

ここでお風呂に入って帰るだと…?



いやいやいやいや…勘弁してよ!!!

義理の両親と3人だけの時間なんて地獄じゃん!

無理!!無理すぎ!!やめてくれぇ~~~!



とは言えずに…

お風呂に向かう夫の背中を、心の中で雄叫びをあげながら見つめていた








夫が不在となった3人の時間。案の定、静まり返った







あ~あ…ほら。気まずい。何話せばいいの?話のネタ…何かあったっけ?最近の小ネタ…何も思いつかん!何も思い出せん!ピンチ!ピーンチ!



沈黙で静まり返った空気に私の緊張が再発


焦りすぎて汗までかきはじめた私に、笑顔で義母ンヌが話しかけてきた





義母ンヌかつみ「あ、ゆかりちゃん、そうそう…」





私のピンチを打破してくれた義母ンヌが救世主かのように輝いて見える



ゆかり「あ、はい!」    




義母ンヌかつみ「この間いただいたクッキー、とっても美味しかったわよ~。ごちそうさま」



ゆかり「ほんとですか!?わあ~良かったです!また今度作ってきます!!」




義母ンヌかつみ「・・・・・・・・・。」











・・・え?






一瞬無言になった義母ンヌに、私は違和感を感じた



義理の両親がなんともいえない表情で顔を見合わせている






どうしたんだろう?


刺すような空気に嫌な予感がした 

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