『Ｆｅｒｒｉｓ　ｗｈｅｅｌ』

医療が急激に発達する近未来。
　自らの細胞を培養して作成する『人体複製移植』は、本物の腕や足、内臓を取り戻すことが出来、拒絶反応もない為、安全で安定した『移植手術』を実現させていた。
それでも人類は死を乗り越えることは出来なった。
　高校生の安曇巧生は、不治の病に侵される恋人、麻生真帆を見舞う毎日を送っていた。
　入院、退院を繰り返しながらも、友人たちと楽しい学生生活を送る真帆。そんな中、ついに、彼女の命のリミットが来てしまう。彼女の希望通り、最後の時間を二人で過ごし、そのまま見取る巧生。
　彼女の大好きな『観覧車』の中で、彼は最愛の人を失うこととなった。
　絶望を抱いたまま、半年が過ぎたある日、真帆の父親から突然の電話があり、『真帆は実は生きていた』と知らされる。『蘇生したまま意識不明だっ…続きを読む