第4話 飛梅

袖を捲り隠していた短剣を持ち、刀身に触れる。力を開放するための言葉、刃号を口にする。刃号は持ち主が一定の練度に到達したと魔剣が判断した時に、魔剣が教えてくれる。そして初めて刃号を発動した際に魔剣は無銘の状態である。無剣アンサンドから形が変わり固有能力を持つ魔剣へと変化する。が刃号に到達する人の割合は一般的に2割だとされている。この際、至り方には個人差があるが、至った者の内大事なものは6割が才能、3割が努力、1割が運と答えている。

そして私の刃号は以下の通り

「東風吹かばにほひおこせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ。」

古歌を思い出すこの言葉刃号に呼応して赤く光る。その光はまるで彼岸花のような死の光。

名は!

「飛梅!紅梅!」

短剣は赤と黒の双刀に変化し、短剣を収めていたところにはプロテクターが装着されている。

「双刀の抜剣...いやはや、すでにそこまで到達しているとは....提出する予定の情報ダーテンに加えなくては...」(さすがに聞いてないぞ...隊長め...あとで殺す!)

「抜剣?違うね、これは刀剣解放ソード・オーペニングだよ。」

足に魔力を流すことで高速移動する〇〇◯特有の技、双脚を使い、ローウェルの背後に回り込む。

「早い!?」

「6章の69頁!大激流葬だいげきりゅうそう!!」

技を放つと同時に魔力で空気中の水分を操作して霧を発生させローウェルは攻防一体の防御系魔法を詠唱し始める。

「聳え立つオルートの壁!底知そこりゅうしれぬふかたに飛翔ひしょうするくろりゅう!我が右手みぎてをみよ!7章57頁!刻中三重結界こくじゅうさんじゅうけっかい!!」



つづく

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 (一時凍結)ロストフェアリー リメイク版 赤ぬこ むぎ猫 @akanuko

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