3回目の流産

前回の流産からなかなか次に進むことが出来ず

あれよあれよと9か月も経ってしまった。


心身が整うまでに時間はかかったが

ようやく6回目の移植に入ることが出来た。

そして、自分なりにやり切ったという感覚もあった。


判定の日、診察に呼ばれたとき

医師から「妊娠してますよ。おめでとうございます。」

まずは着床の壁をクリアしたのだと嬉しかった。


前回のことがあるから手放しでは喜べないが

一つ一つ乗り越えていこうと心に決めた。


胎嚢確認の日、内診をしてもらい

お腹の中に生命が存在しているのだと実感が沸いた。


不安と心配でたまらなかった心拍確認の日、

肉眼でもピコピコ見える心拍に感動すらあった。

医師からも「順調ですね」と言われた。


それでも前回のこともあるから油断せずに

冷静に淡々と過ごしていこう。


そう思ったのが伏線だったのか?


1週間後、いつも通り内診をしてもらったときにまた気づいてしまった。

嫌な予感が頭をよぎる。

通常より長い内診に長い沈黙。

「ああ。まただ。」

医師から「心拍確認出来ませんでした。」

そのあと流産手術についての説明があったが

全く頭に入らなかった。


期待しちゃ駄目だと押さえつけてた感情がこぼれて

結局何回でも期待してしまっていた自分が嫌になる。


気を紛らわす為に何か食べて帰ろう。


デパ地下で買ったサンドイッチを頬張った。

一口かじるたびに悲しみや悔しさが襲って前が滲んでいた。

そんな中、夫からメッセージが届いた。

「気を付けて帰っておいで」

張りつめていた気持ちがぷつんと切れて、涙が溢れた。


また振り出しに戻ってしまう絶望感。

かと言って、次妊娠するのも怖いし

このまま子どもを産めないんじゃないかとか

負の感情が飲み込んでいく。


ほんと八方塞がりだな。


これからどうしたらいいんだろうか。。。





















































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