悪役令嬢は大連合・メセアのトップに立つ

「単刀直入に言う。私は今からこの国の国王を殺す」

 マリアンヌは今集められるほぼ全ての派閥の貴族たちの目の前で一切の躊躇いを持たずにそう大きくよく通る声で高らかに宣言した。


 周りの反応は3つに分かれた。

 1つ目はいきなりの出来事に戸惑う者。

 2つ目は無謀だと不安になる者。

 最後の3つ目は、ようやくかという安堵や王を殺し次の国を自分たちが作って行くという期待だった。

 そして最後の3つ目の反応が一番多かった。


「この国の国王を腐っている。王子も腐っている。このままではこの国は他国に滅ぼされて終わりだ。だから反乱を起こすのよ。私達が新しい国を作るのです。大丈夫です。この反乱は絶対に成功する。

 ほら、皆自分の周りを見渡してみて。

 ・・・・・・・(そうマリアンヌに言われて周りを見渡す派閥メンバー、そして、彼ら、彼女らは気が付いた。この派閥メンバーがどれだけ凄いかを)・・・・・・・

 分かったかしら?

 ここにはこれだけの貴族がいるわ。

 つまり。これだけの貴族がこの腐った国を変える、いや、救おうと立ち上がっているのよ。

 成功しないわけがないでしょう。

 さあ、今こそ反乱を起こすのよ。実の息子を平気で殺し、自分は贅沢三昧でこの国の事を全く持って憂いていない愚王を殺せ。血祭に上げて民衆の前で晒すのよ。

 身勝手な理由で私の婚約を一方的に破棄したクソったれの王子を愛した平民の娘と共に地獄に送ってやるのよ。

 さあ、私達なら出来る。この派閥いや、大連合・メセアなら出来る。さあ。立ち上がれ、そして、叫べ。この国を救うのだと。さあさあさあさあさあさあさあ」

 マリアンヌのその気迫に押されて何人かが声を上げた。

 それに釣られて他の人も声を上げた、それは、やがて全員に届き。

 皆が声を上げた。


「「「この国を救うのだ」」」

「「「この国を救うのは我々だ」」」

「「「この国を変えるのだ」」」

「「「そして、この国に巣食う膿を排除するのだ」」」


「そう、その調子よ。私達がこの国を変えて救って豊かにするの」

 マリアンヌの言葉が飛ぶ。


「「「我々がこの国を変えて救って豊かにさせる」」」

 それを全力で皆が復唱をする。


「そう、そうよ。これが出来るのは私達しかいないのよ」

 マリアンヌの言葉が更に飛ぶ。


「「「我々だけがこの国を救えるんだ」」」

 皆が力を込めてそう叫ぶ。


「そうよ。だから皆一致団結して頑張るわよ~~~~~」

 マリアンヌが今日一番の大声を上げた。


「「「「「オ~~~~~~~~~~~~~~~~」」」」」

 同じように皆今日一番の大声を上げた。


 かくしてマリアンヌはその圧倒的なカリスマ性を持ってしてあっという間に派閥の貴族たちを纏めて新しく大連合・メセアを創り上げたのだった。

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