決着
「さて、じゃあ、守護者・バルバッセロよ。良い事を教えてあげよう。一体いつから、私の持つ神器がグリモワールだけだと思っていたのですか?神器解放・来なさい・死霊神の杖」
そして現れるは、1メートル越えの禍々しさと神々しさが重なったような、杖であった。
死霊神の杖・・・それは歴史書にすら乗っていない神器であり、つい数年前まではそもそも存在すらしていなかった神器である。
そしてそんな死霊神の杖の所有者はマリアンヌが初めてである。
この、死霊神の杖は数年前にセリカによって進められて向かった遺跡にて、死霊神に気に入られたマリアンヌが直接下賜された神器であった。
そんな死霊神の杖の効果は4つ。
1つ目は死霊操作・その名前の通り死者を死霊という形で蘇らせて自由自在に操る能力。
2つ目は魔力操作能力の大幅向上。
3つ目は死霊属性及び闇属性の魔法の能力及び威力の大幅上昇、最大倍率は1000倍
4つ目は死者蘇生・1日に一度だけであるが自分以外全ての生物を死体さえあれば無条件で蘇らせることの出来る能力。
この余りにも強すぎる4つの力を持った死霊神の杖、この神器・死霊神の杖と神器・グリモワールが組み合わさることにより、こと闇魔法に限って言えばその魔法威力の倍率は1000×1000の100万倍であった。
「ハハハ、マリアンヌ様、流石だよ。流石だぜ。まだ神器を持っていたか。ああ、本当にすげえぜ」
「喜んでる所悪いけど、1発で貴方は終わるわ」
「そうかい。それは楽しみだな。さあ、来い」
守護者・バルバッセロは男らしく仁王立ちをして、雷切を構える。
どんな攻撃が来ても絶対に一刀両断してやるんだという強い意志を込めた構えた。
「闇魔法・闇弾」
マリアンヌが放つは、さっきまで山の様に使っていた。
闇弾であった。
しかし、それは元のたった1000倍しか増幅されていない闇弾であった。
今放たれた闇弾は元の威力から100万倍というもはや意味の分からないレベルで増幅された攻撃であった。
そもそも論として元の威力の倍率1倍の闇弾でも、マリアンヌという膨大な魔力によって生み出される破壊力はかなりの物であり、人間に当たれば貫通し、鉄の鎧すらもいとも簡単に貫通する程度の破壊力はあった。
それの100万倍である。
その威力たるわ、もはや人間の頭では想像も出来ないような威力であった。
音はなかった。
余りの威力に音というのが掻き消えたのだ。
守護者・バルバッセロはアキレウスの鎧によって守られているはずの心臓をアキレウスの鎧ごと貫通されていた。
周りへの被害等も一切なかった、死霊神の杖の能力を使い、完璧に闇弾をマリアンヌが制御していたからだ。もしもマリアンヌが闇弾を制御していなければその被害は恐ろしいものとなっていたであろう。
「ハハハハハ。マリアンヌ様、やっぱりあんた最高だぜ。グハ」
そして心臓を貫かれた守護者・バルバッセロは口から多量の血を吐き、倒れて死んだ。
そう死んだのだった。
「死霊神の杖よ。彼を蘇らせろ」
そして、その瞬間にマリアンヌの持つ神器・死霊神の杖によって守護者・バルバッセロは蘇らせられる。
「俺様は・・・、死んでいたのか」
「ええ。そうよ。私の本気の一撃によってね。で、その後にこの私の持つ神器・死霊神の杖によって蘇らせたの」
「そうか、そうだったのか。マリアンヌ様、いいえ主様。これから私守護者・バルバッセロは主様の為の守護者になると誓いましょう。いついかなる時も主様の為にこの命果てる、いや、例え命果てたとしても忠誠を誓います」
守護者・バルバッセロはマリアンヌに跪く。
マリアンヌは今度こそそれを受け入れた。
「当たり前ですわ。私の為に尽くしなさい」
「はい。かしこまりました。主様」
かくしてマリアンヌは公爵家当主にして、ディステリア王国最強の男・守護者・バルバッセロに永遠の忠誠を誓わせるのだった。
被害として、守護者・バルバッセロが訓練場として利用すていた、合金で覆われた非常に耐久性が優れているはずの部屋がぐちゃぐちゃのボロボロになったが、それはまあ、ご愛嬌というものであろう。
――――――――――――――――――
因みにセリカはここまで主人公ことマリアンヌが強いことは知りません、理由はマリアンヌが闇の魔法を本気でセリカの前で使用したことがないからです。
え?何でかって、マリアンヌがそもそも本気で闇の魔法を使用したのは、死霊神から神器を貰った時に1回だけですから。
その時の余りの威力の高さから封印しようと決意した結果です。
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