一撃必殺! 台風の恐怖!

 さて、今日は“台風”のせいで身動きがとりにくいことになっているので、折角ですから台風災害のことでもお話いたしましょう。


 夏から秋にかけて到来する台風ですが、皆さんも交通機関の乱れで通勤通学が阻害されたり、あるいは河川の氾濫によって家屋が浸水したりと、何かと面倒な相手だということは実体験されているのお判りでしょう。


 そして、農家にとっても、台風というのは最強の難敵です。なにしろ、大風、大雨で畑の作物が全滅、などということが十分に起こり得るからです。


 そんな難敵相手に、白ねぎという作物は、強くもあり、弱くもあります。


 まず“強い点”は、白ねぎという作物は土に埋まっているということです。先述しましたが、白ねぎの成長に合わせて土を被せていきますので、露出しているのは緑の部分だけで、あとは土に埋まっています。


 つまり、埋まっている部分は風に当てられないため、大風であろうがへっちゃらということです。


 一方で“弱い点”はまさにその埋まっていない部分のことです。白ねぎは基本的に上へ上へとどんどん伸びていく作物で、非常にトップヘビーになりやすいということです。


 トップヘビーということは風の影響を受けやすく、簡単に折れたり曲がったりしやすいということです。


 そう、白ねぎは下半分は風に強く、上半分は風に弱い、という状態が常態しているわけです。


 では、台風対策はどうするのか、という話ですが、答えは簡単。できる限り土を上げて、埋まっている部分を増やしてしまおうというやり方です。


 土に埋まっている部分は風の影響を受けないわけですから、台風が来るとねぎに土を“寄せて上げて”しまうのです。そうすれば、折れたり曲がったりするのを防げます。


 仮に折れたとしても、緑の部分だけで済みますし、そこだけならまた生えてきますのでそこまでの被害にはなりません。見栄えが悪くなって、直近の出荷には影響は出てしまいますが、それくらいは甘受せざるを得ません。


 しかし、問題は台風の来る季節が“夏”であるという点です。夏は気温が高く、白ねぎが腐りやすい季節でもあります。


 にも拘らず、土をぶっかけ、寄せて上げた場合、ねぎ本体の通気性が最悪になるわけですから、腐りを加速させかねない状況になります。


 全滅よりかはましとはいえ、収量が落ちるのは確実です。


 結局のところ、台風は来ない方がいい。これに尽きるわけです。


 まあ、台風で熱気を吹き飛ばし、地熱が下がったりするので、悪い事ばかりではないんですがね。


 むしろ、直撃せずに、かすって熱気を吹き飛ばすくらいが理想ですかね。


 そんな都合よくいかないことも多いんですけど。


 むしろ、大雨で川が氾濫して、畑が水に沈む方が怖いですけどね。根腐れおこして、こちらも壊滅的被害をうけることもありますから。


 とにかく、夏は白ねぎにとってやりにくい季節であり、その集大成が台風とか言う悪い奴なんですよ。


 皆さんも、台風にはくれぐれも気を付けましょうね。気を付けてもどうにもならないのが、農家って職業ではありますが。


 では皆様、次回をお楽しみに~♪

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