子供じゃないんだから!

「はぁ……」


 深雪は頬杖をついてため息をつく。


「なんだか今日の棚町さん表情が違うわね」

「確かに……あの遠い目が何か物思いに耽っているというか。ちょっとだけキュンときちゃうかも」


 クラスメイトたちは口々に言う。


「あの棚町さんでも悩むことがあるんだなぁ」

「意外だよね。でもなんかいいよね」


 そんな会話も耳に入らず、深雪はぼんやりと窓の外を眺めていた。


(あたしにもお姉さんらしいところがあればいいんだけどなぁ)


 トントン。肩を叩かれた。振り返るとそこには晴氷がいた。


「今日のふぶちゃんは神秘的だね~」


 晴氷は笑顔で言う。


「うっさい」


 深雪は冷たくあしらう。


「もしかして恋煩いかな?」

「違うわよ!」


 椅子から思い切り立ち上がる深雪に晴氷はなだめるように背中を擦る。


「冗談。でもなんだか最近様子が変だよ?悩みとかあるの?」


 晴氷は深雪の顔を覗き込む。深雪は俯いたまま黙っている。するとチャイムが鳴り授業が始まったので、二人は席に着いた。


(恋煩いねぇ)


 深雪は再び頬杖をついて考える。


***


 放課後。深雪は部室に向かった。扉を開けると名残が椅子に座って待っていた。


「先輩!待ってました」


 名残は立ち上がると、深雪に抱きつこうとする。だがそれをかわすようにして中に入ると扉を閉めた。そしてパイプ椅子に座ると頬杖をついて窓の外を眺めることにした。


「先輩どうかしたんですか?」


 名残は心配そうにしている。


「ん?別に何でもないよ」


 深雪は窓の外を眺めたまま答える。


「本当ですか?」


 名残はさらに距離を詰めてくる。


(ち、近い!)


 深雪は思わず顔を背けた。


「ふふっ。私で良ければ相談に乗りますよ?」


 名残は優しく微笑みかける。深雪はその笑顔を見て思わず心を許そうとした。


(いやいやいやいや!これじゃダメ!もっとクールに!)


 深雪は頭を左右に振ると、平静を装った。


「じ、じゃあ聞くけどあんた妹いたわよね?」

「え?はい。いますけど」


 名残は不思議そうに答える。


「名残はどういう時お姉さんらしくなれると思う?」


 深雪は真剣な表情で名残を見つめる。すると名残は少し考えてから答えた。


「そうですね……やっぱり頼りがいのあるところを見せることじゃないでしょうか」


 名残の言葉に深雪はうんうんと頷く。


「具体的には?」

「えっとですね。例えば、私が落ち込んでいるときに励ましてくれたりとかですかね」


 名残は照れながら答える。深雪はその答えを聞いて感心した様子だった。


(なるほど……やっぱりお姉ちゃんをやってるだけあってちゃんとした答えを持ってるのね。普段こんなんだけど)

「でもですね……」

「?」


 名残は俯きながら続ける。


「妹に頼りがいがありすぎると私はちょっと寂しいかなって思っちゃいます」

「……」


 その言葉に深雪は黙り込んでしまった。


「先輩はどうしてそんなこと聞くんですか?」


 名残は首を傾げながら尋ねる。


「あ……えっと……それは……」


 深雪は口籠もる。


「……せんよ」


 名残は小さな声で何かを呟いた。


「ん?ごめん。よく聞こえなかった」


深雪が聞き返すと名残はにっこりと微笑んで言った。


“許しませんよ”


「え!?」

「先輩は私以外の子に目移りしちゃダメです!」


 名残は頬を膨らませて怒っている様子だ。


「いやいや、何言ってんのよ」


 深雪は呆れた顔で答える。


「だって!先輩最近変じゃないですか!」


 名残は更に詰め寄ってくる。深雪は思わず後ずさりしてしまう。すると背中が壁にぶつかった。そしてそのまま壁ドンされる形になってしまった。


(しまった。また……)


 深雪の頰に冷や汗が流れる。名残はさらに顔を近づけてくると、深雪は思い切り目を閉じた。そして耳元で囁いた。


「もしかして好きな人できたんですか?」


 名残は不安げな表情だ。深雪の頰が赤く染まる。


「なっ!?そんな訳ないでしょ!」


 深雪は慌てて否定すると、名残から離れた。


「本当に?」

「当たり前でしょ!ったくどいつもこいつも恋だの好きな人だのと!」


 深雪は怒りながら言う。すると名残の表情が明るくなった。


「良かったぁ。ふふっ」


どうやら大事には至らなかったらしい。深雪はホッと胸を撫で下ろした。


「でもぉ~」


 しかし次の瞬間、顔を近づけた名残は人差し指を自分の唇に当てて艶っぽい声で囁いた。


「さっき近づいた時、先輩ちょっと期待してましたよね」


 名残はニヤリと笑う。


「なっ!?してないし!」


 深雪は顔を赤くして否定する。だが、内心動揺していた。名残はそんな深雪を見てニヤニヤしている。


「恥ずかしがらないでいいんですよ?先輩とだったら……」


 名残はギリギリのラインまでスカートをたくし上げると、悪戯な笑みで深雪を見つめる。


「私……柔らかさには自身あるんですよ?」


 名残は挑発するように白い太腿を深雪に見せつけてくる。


「ば……バカじゃないの!もう帰る!」


 深雪は鞄を持って部室から飛び出していった。


「もう……先輩ったら照れ屋さんなんだから」


 名残はクスクス笑いながら呟いた。


***


 部室を飛び出した深雪は、校舎を出るとそのまま家路についた。


(まったく!いつもいつもあたしのことからかって!)


 深雪は怒りながら歩いていた。


(でも……)


 ふと足を止めると、空を見上げた。そこには雲一つない夕焼け空が広がっていた。


(寂しい……か……)


 深雪は名残の言葉を思い出していた。そんなことを考えながら歩いていると、いつの間にか家に着いていた。


「ただいまー」


 玄関を開けると中に入った。すると冬花が出迎えてくれた。


「おかえりなさい」


 冬花は優しく微笑んでくれる。深雪はそんな姉を見て心が温かくなるのを感じた。


「ふぶちゃん!おかえりぃ~」

「わ、わぁ!」


 突然、後ろから帰宅した霜歩に抱きつかれた。


「ちょっと霜歩さん!玄関でやめてくださいよ!」


 深雪は顔を赤くして抗議する。


「ん~?玄関じゃなきゃいいのぉ?」

「そういうわけじゃ……」

「えへへぇ~可愛いなぁ」


 霜歩は嬉しそうに笑うと、さらに強く抱きしめてきた。そして耳元で囁くように言う。


「ねぇ?今日は一緒にお風呂入ろうよぉ~」


 その言葉に深雪の顔は更に赤くなる。見兼ねた冬花が優しく深雪の頭を撫でる。


「冬花さん……」

「ダメよね?今日は私と入るんだから」


 ズコーーーーーー。深雪はその場でコケそうになる。


「な、何言ってるんですか!」


 深雪は両腕を振りながら反論する。しかし冬花はニコニコしているだけだ。


***


「なんだかふぶちゃんが来た日のことを思い出すわね」


 冬花は湯船に浸かりながら懐かしそうに言う。深雪は恥ずかしそうにしながら、同じく湯船に浸かっている。


(なんか前もこんなことがあったような……)


 深雪はぼんやりと考え事をしていた。すると突然後ろから抱きつかれた。


「きゃっ!ちょっと霜歩さん!」

「へへへぇ~」


 霜歩はそのまま身体を密着させてきた。背中に柔らかい感触が伝わってくる。


「うふふ。ふぶちゃんは甘えん坊さんね」


 冬花は微笑みながら言う。


「どこをどう見たらそうなるんですか!まったく……」


 深雪はため息を吐くと、そのまま冬花に身体を預けた。


「よしよ~し。いい子ねぇ」


 冬花は深雪の頭を優しく撫でる。


「その……二人に相談があるんです」


 深雪は恥ずかしそうに言う。


「あら、何かしら?」


 冬花と霜歩は首を傾げる。


「えっと……あたしは!!」


 急な大声に二人はビクッとした。


(うぅ……思いの外大きい声出ちゃった……でも言わなきゃ!)


 深雪は覚悟を決めると、意を決して口を開いた。


「あたしはもう子供じゃないんで甘やかされたくないんです!」


 深雪の言葉に二人はキョトンとしている。


「あら?どうして?」


 冬花が尋ねる。深雪は顔を真っ赤にしながら答える。


「だってもう高校生ですし……いつまでも子供扱いされるのは恥ずかしいっていうか……」


 深雪の声は徐々に小さくなっていった。


(あ、あれ?反応薄いな)


 そう思ったのも束の間、すぐに二人が笑い始めたので深雪は驚いた。


(え!?笑う要素あったかな!?)


 戸惑う深雪に霜歩が声をかける。


「ふぶちゃんは本当に可愛いなぁ」


 霜歩は深雪の頭を撫でると、優しく抱きしめた。


「心配しなくてもわたしたちはちゃんと分かってるよ?だって……」


(あれ?なんか雲行きが怪しくなってきたぞ……)


 深雪は不安になった。しかし次の瞬間にはその不安も吹き飛んでいた。なぜなら彼女がこう言ったからだ。


「だってわたしたちはふぶちゃんのこと妹とか関係なく大好きだからね」


 霜歩は深雪の頰を両手で包むと、自分の方に向かせて微笑んだ。


「え?」


 予想外の答えに深雪は思わず聞き返す。すると冬花が補足してくれた。


「ふぶちゃんは優しい子だからお姉ちゃんたちに気を使ってくれてるんでしょ?でも大丈夫よ」


 冬花は微笑みながら続ける。


「私たちは家族なんだから遠慮なんかしなくていいのよ」

(あぁそっか……)


 その言葉に納得がいった気がした。それと同時に胸が温かくなった。


(あれ?なんか流されてる?)


 深雪はふと我に返る。


「ああ!でも!ん!」


 反論しようとする深雪の口を冬花が指を当てて塞いだ。そしてゆっくりと首を横に振ると、優しい声で言った。


「“でも”は無し。それに……」


 そして深雪の耳元に口を近づけると、囁くように言った。


「これでもお姉ちゃんだって我慢してるのよ?」

「えっ?」


 深雪はドキッとした。


(我慢してるってどういう……)


 二人は目を細くして深雪を見つめるのであった。


***


 その後、夕食を済ませた深雪は部屋でスマホを弄っていた。


(でも本当にこれで良かったのかな……)


 今日のことを思い出しながら考えていた。すると突然部屋の扉が開いた。


「ふぶちゃん!お部屋遊びに来たよぉ!」


 霜歩だった。彼女は部屋に入るなりベッドにダイブする。そしてそのままゴロゴロし始めた。深雪はその姿を見て苦笑すると、再びスマホに視線を落とした。


(ま、いっか)


 深雪は考えるのをやめた。


「すぅ……すぅ……」


 しばらくすると、隣から可愛らしい寝息が聞こえてきた。見ると霜歩は眠ってしまったようだ。


(全くもう……)


 お腹丸出しで気持ちよさそうに眠る霜歩を見て深雪は呆れる。


(風邪引いても知らないんだから……そうだ!)


 深雪は閃くとお気に入りのうさぎのぬいぐるみを抱いてベッドに向かった。


「おい。そこは我の寝床だぞ」


 まるで腹話術のようにうさぎのぬいぐるみを使って話す。


「これ以上、我の寝床を荒らすと言うなら、お耳でこちょこちょの刑だぞ。そーれ。こちょこちょこちょ」


 深雪はぬいぐるみの長い耳を使って、霜歩の脇腹をくすぐる。


「うへへぇ~くすぐったいよぉ~」


 霜歩は身を捩らせながら笑う。


「どうだ!思い知ったか!」

「すぅ……すぅ……」

「そこで寝られると我が寝れないのだが……」

「すぅ……すぅ……」


 深雪の言葉など気にせず、霜歩は眠り続ける。そして部屋の扉が開くと同時に冬花が入ってきた。深雪は慌ててぬいぐるみを後ろに隠す。


「あらあら寝ちゃったのね。仕方ないわね」


 冬花は霜歩の頭を撫でながら布団を掛けてあげる。そして深雪の方に視線を移すと微笑んだ。


(うっ!なんかバレてる気がする……)


 深雪は内心ドキドキしていた。するとそんな心情を察したのか、彼女は優しく語りかけてきた。


「今日はお姉ちゃんの部屋で。ね?」


 深雪はこくりとうなずくと、冬花の後についていった。


***


「ふぶちゃん、おいで」


 冬花は布団をめくると手招きした。


(うぅ……)


 深雪は少し躊躇したが結局彼女の誘いに乗ることにした。


(まぁ今日だけならいっか)


 そしてベッドに入ると、冬花は深雪の両頬に手を当てた。


「冬花さん……急にそんな……」

「もっとお顔よく見せて」

「え、えーと……」


 深雪はおずおずと顔を上げる。すると冬花は愛おしそうに見つめ、視線を唇に落としてきた。深雪はドキッとして思わず目を瞑ると、唇に柔らかい感触を感じた。


「ん……」


 深雪は思わず声を漏らした。すると唇にあった感触が離れた。目を開けると目の前には冬花の顔があった。彼女は悪戯な笑みを浮かべている。


「うふふ、お姉ちゃんもう限界かも」


 そう言うと再び唇を重ねてきた。今度はさっきよりも強く押し付けられる感覚があった。そしてそのまま舌が入ってくる。深雪もそれに応えるように不器用ながらも自分の舌を絡めていく。二人の吐息が混ざり合い、部屋に響き渡る水音が脳を刺激する。頭がボーっとしてきて何も考えられなくなる。


(あぁ……柔らかくて気持ちい)


 深雪はそんなことを思いながら、しばらくの間キスを続けた。やがて唇が離れると二人の唇から銀色の糸を引いた。そして深雪の耳元で囁く。


「お姉ちゃんもふぶちゃんのこと大好きだよ」


 それに答えようと冬花の手をギュッと握りしめる。


(あたしも大好きです)


 そう言おうとして、しかし言葉にならなかった。代わりに口から出たのは甘い吐息だけだった。深雪はそのまま冬花に抱きつき甘えるように胸に顔を埋めたのであった。


***


「行ってきまーす!」


 元気よく挨拶をすると、深雪は家を飛び出した。


「待って!ふぶちゃん!」


 慌てて追いかけてきた冬花に呼び止められる。


「はぁ……はい。忘れ物」


 そう言って手渡されたのはお弁当箱だった。


「ありがとうございます」


 お礼を言うとそれを受け取った。すると冬花は満足そうに微笑んだ後、深雪の頭を優しく撫でた。


「それともう一つ」


 そう言うと深雪の左頰に軽くキスをした。突然の出来事に動揺する深雪だったが、冬花は何事もなかったかのように言葉を続ける。


「いってらっしゃい」


 それだけ言うと、彼女はきびすを返して家の中に戻っていった。


「ふぶちゃ~ん。わたしも行くから待ってぇ~」


 遅れて霜歩がやってくる。


「途中まで一緒ねぇ」

「はい。でも抱きつくのは禁止です」


 深雪は霜歩に釘を刺す。


「え~どうしてぇ?」


 霜歩が不満そうに言う。しかし深雪は取り合わず歩き始めた。


「もうすぐ春だねぇ」

「はい。もう暖かいです。そういえば今更ですけど霜歩さんは何の仕事をしてるんですか?」

「わたしはねぇ、プログラマーだよ」


 霜歩は得意気に答えた。


「へぇ。すごいですね」


 深雪は素直に感心していた。すると、霜歩は少し照れくさそうにして頰をかいた。


「いやぁそれほどでもぉ」

「でもお給料低いんですよね?」

「うぐっ!」


 霜歩は胸を押さえて苦しみ出した。


「あ……すみません」


 深雪は申し訳なさそうに謝る。


「ふ……ふっふっふ……なんちゃってぇ」


 しかし、霜歩は急に笑い出した。深雪は一瞬キョトンとしたがすぐにからかわれたのだと気づいた。


「もう!ふざけないでください!」

「あはは!ごめんね!」

(まったくもう……)


 しかし不思議と嫌な気分ではなかった。むしろ楽しいとさえ思えたのだ。そして分かれ道に差しかかると霜歩は立ち止まり、深雪に向かって手を振った。


「じゃあねぇ!ふぶちゃん!行ってらっしゃい!」

「はい」


 深雪は歩こうとするが、後ろの視線が気になって仕方がない。


「何か???」

「ギュウゥゥゥ」

「もう!仕方ないですね!」


 深雪は諦めたようにため息を吐くと、キョロキョロと周りを確認してから霜歩に抱きついた。


「はぁ幸せ……充電しておかないと夜まで保たないからねぇ」


 霜歩は深雪を抱きしめ返しながら彼女の右頬に軽くキスをした。


「もう……霜歩さんまで……」


 深雪は呆れたように言う。しかし表情はどこか嬉しそうだった。そして霜歩から離れると、小走りで学校に向かった。


***


「おっはよー!ふぶちゃん!」


 教室に入ると早速、晴氷に声をかけられた。


「その呼び方やめて」


 深雪はうんざりしたように答える。


「うん!いい表情!なんかいい事あった?」


 晴氷は満足そうに頷くと、深雪の顔を覗き込んできた。


(まったく……まるでエスパーね)

「そりゃぁ親の友!だからね!」

「え!?声に出てた!?」


 深雪は驚きの声を上げる。


「深雪の考えてることくらいわかるよ。悩みは解けた?」

「この妖怪。お陰様で!」


 深雪は嫌味っぽく言うと、自分の席に向かった。そして椅子に座るとカバンから教科書を取り出す。


「棚町さーん!下級生の方が呼んでますよ!」


 その時、クラスメイトの一人が深雪に声をかけてきた。


(ん?誰だろ?まあ一人しかいないと思うけど)


 深雪は席を立つと、呼ばれた方へ向かう。そこには予想通りの人物が立っていた。


「名残……」

「おはようございます。先輩。今日も部室に来てくれますよね!」

「あ……ああ。そうね」


 深雪は言葉を濁す。


「私!待ってますから!ずっとずっと待ってますからぁー!」


 名残は大声で叫ぶと、走り去っていった。


「なになに?告白?」

「棚町さんモテモテ……」


 周りの生徒たちがざわつく。深雪は頰を赤らめながら席についた。


「はぁ……」


 深雪はため息を吐くと頬杖ついた。まだ両頬についた二人のキスの感覚が残っていた。


(あたしってちっぽけね。ちっぽけに悩んで、ちっぽけに悩んで)


 そう心の中で呟きながら、窓の外を眺めた。


(みんなから見たらまだまだちっぽけな子供……まあ、それでもいいか)


 深雪は自嘲気味に笑うと、教室から窓の外を眺めた。


(きっとこれからもこうやって成長していくんだろうな)


窓の外で風に揺れる草木がまるで深雪の悩みを嘲笑っているかのようだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

甘々な義理の姉二人に妹は子供扱いされて困ってます コミコミコ @sig3-halci

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ