第5話 春

ある春の日、やわらかい雨が森林に降り注ぎました。


私は、木の根に吸い込まれていました。


私は生まれ変わっていました。

私は新しい枝になっていました。


私の体の先には、若い葉っぱがついています。

この春、新芽から出てきたばかりの葉っぱです。


この葉っぱさんは、世の中のことを何も知りません。

だから、葉っぱさんに、私はいろいろなことを教えてあげるのです。

葉っぱさんは、初めての光合成のお仕事に、とても不安をもっているようでした。

だから、私は先輩として言いました。


「ずっと同じ、ってことはないですよ。何事も変わり続ける。そのことを忘れてはいけませんよ。あなたも、だんだん成長して、上手にできるようになります……」



< 終わり >

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