第27話 方や激突、方や幻惑


「ふぃー。疲れたー。」


「あ、終わったんだね。」


「流石に10分じゃ大したことはできなかったがな。だが筋がいい。また一緒にやろうじゃないか。」


「イエッサー!きんにくさん!」


「うむ!」


「仲良くなってるね。」


「ちょっとそこの筋肉だるまさん!私が最初に仲良くなったんですからね!」


「そうか!なら今度君たち2人も誘って筋トレをするとしよう!そうだ!グリモワールもエクスも来るか?無論誰であろうと大歓迎だぞ!」


「僕は遠慮しておくよ。魔術師は魔法を使うからね。体を動かさなくていいんだよ。」


「おや、『簪』は使わないのかい?」


「あれは時間が来たから使えないよ。全く、不便だな。エクスくんはどうするんだい?」


「そうだなぁ。せっかくだし参加してみようかな。」


「素晴らしい!筋トレの良さをしっかりと教えてやろう!そうだな、まずは⋯⋯⋯⋯」


「え、今からやるんですか!?」


「まだ出てくる気配はな⋯⋯⋯」


「うわっ!眩しっ!」


「めがああああ!めがああああああああ!」


「そんなに光強くないでしょ。はい灯ちゃんも真似しようとしない。」


「凄い登場の仕方だね。」


「あらあら、そんなに大人数でお出迎えしてもらえるなんて嬉しいわね。」


「お久しぶりですね。蘭さん。」


「あら、エクスちゃんじゃない!どうしたのかしら?」


「みんな逃げていくから暇だったんですよ。それで早速だけれど一戦どうだい?」


「チーム戦ですから私もいますよ!蘭ちゃん!」


「あら!あらあらあら!リブラちゃんじゃない!久しぶりね。そういえば一人多い気がするのだけれど私の数え間違いかしら?」


「あ、それ私ですね。ただの迷子のVTuberですから気にしないでくださいね。」


「1人だけここに来たらしくて仲間のところに送ってあげてるんですよ。」


「決勝ではいい戦いだったわよ。グリモワールちゃん。なんだか呼び名が長いわね。グリちゃんにしましょう!」


「ぶふっ!」


「⋯グリちゃん⋯⋯⋯」


「それで、いつ戦うのかしら?」


「⋯⋯いまから、だね。作戦会議くらいの時間はあげるよ?」


「大丈夫よ。すぐに始めましょう。クマちゃん!」


「了解だ!『攻撃強化』」


「エルミーさん!バフを!」


「わ、分かりました!『煉烈の心』!対象はエクスさんとリブラちゃん!」


「わ、私は物陰に隠れてますね〜。」


「そっちは準備出来たかしら?」


「とっくにできてるさ。」


「ならいいわ。次は負けないわ!天術結界『桜世界』。美しい桜の世界に招待してあげるわ。」


「『氷結薔薇』。」


「あら?」


「桜に氷のバラってのも風情があっていいんじゃないか?蘭さんよぉ!」


「ここ!きんにくさん直伝!睡魔流『寝掌底』」


「『竜壁』。」


「いいパンチだ!さすがリブラ嬢。」


「いった〜!」


「『竜壁』を一撃で壊すとはなかなかやるな!『鋭貫土砂』。」


「⋯⋯⋯ぐっ!あっっっっっぶね!!!」


「マジか!」


「すげえ避け方だな。曲芸師になれるじゃねえのか?」


「聖騎士流剣術『聖天波撃』まずは1人かな。」


「させないわよ。『桜膜』」


「やっぱりか。」


「この桜は花弁は盾にも矛にもなれる優れものなの。前はあなたに取られちゃったけどね。『行きなさい』」


「出来たぜ!氷魔法『零点氷河』。その桜は一生氷だぜ!」


「ナイスだよアイスくん。魔法生成『氷華旋風』」


「あら、やるわね。」


「蘭さん。準備できました!」


「さすがねトーちゃん。やっちゃっていいわよ。」


「複製『桜世界』」


「コピーとかあるのかよ!」


「厄介だね。リブラさんとアイスくんはあのコピーを倒してきてくれないか?エルミーさんもお願いします。」


「「了解!」」


「分かりました!」


「あら、行かせると思う?」


「行かせてもらうよ。聖騎士流槍術『空轟』」


「『閃光弾』」


「聖騎士流剣術『静謐聖天斬』」


「ふう。ここまであなた達の相性がいいと嫉妬しちゃうわね。」


「やっぱりさすがと言うべきだね。ほぼ無傷だなんて。」


「私、目を瞑って攻撃を捌くのって得意なのよ。」


「全くもって理由になってないね。」


「いい攻撃だったぞ!2人とも!蘭!援護に来た!」


「あら、ありがとう。なら今度は2人でいきましょうか。」


「やっぱり待ってて正解だったね。さあ!存分に戦い会おうじゃないか!」


*****


「いた!あの人だ!」


「よっしゃ!『氷弾』『水槍』。命中したな。」


「ああ、ごめんなさい。よくよく見たらあれ木ですね。」


「えぇ。」


「お前さ〜。」


「ごめんって〜。」


「⋯⋯まさか最初で俺の変装を破るとはやるな。」


「「え!?」」


「ほら見た事か!間違ってなかったんですよ!」


「たまたまだろ。」


「たまたまですね。」


「ひどい!」


「ひどいも何も事実だろ。」


「エ、エルミーさん〜。」


「ご、ごめんね。私もアイスくんと同じ意見なの。」


「そんな〜。この怨みはあいつにぶつけてやらァ!」


「今度は八つ当たりだな。」


「八つ当たりですね。」


「え、なんでこんなに怒ってんだ?まあいい、チームバトルを開始しようじゃねえか!」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ただいま帰省中。


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