第6話 あ、ごめん、やりすぎたかも。


さてこのクソガキをどうしようか。多分こいつは罠を使うタイプのPKかな。このゲームPKしたら名前が赤くなるんだけど名前の表示のオンオフができるから意味ないんだよね。まあNPCから評価だだ下がりくらい?


「まあともかく面白いネタが来てくれたということでね!ガキでも容赦せんぞ!オラァ!」


「うわっ!やりやがったな!くらえ!『麻痺散布』!」


「うえっ!ぺっぺっ!まっず〜。『深眠』」


深眠ってステータスアップ用だと思ってたんだけど実際はHPとか状態異常とかも治せるらしい。ただその使い方だったらクールタイムみたいなのもあるらしいけどね。


「仕返しだ!『眠りの誘い』!」


「うわ!急に何すんだよ!もういい!けんちゃ…クラウン、早くやっちゃお!」


うわ、効かないか。まあPKしてそうだしある程度は強いよね。あとやっぱりもう1人いたのか。ここは私のパーフェクト演技で騙しましょうかね!


「な、なんだってー!二人なんて聞いてないぞー。くそー!ひきょーだぞー!」


「うるせぇ!引っかかった方が悪いんだよ!ばーか!ほら早くやってよ!」


「分かってるって。というかせっかく不意打ち狙ってたのに。まあいいよ。これに当たればどうせ死ぬからな。闇を穿て!『投擲-毒矢-』」


ただ投げるだけ!無駄に長い!絶対こいつ厨二病だ!


「当たったらダメなら良ければええやん理論。ほいっとな。へいへぇーい。遅いんじゃないのぉー?」


「なに!?」


「あーもう!だからよけんなってクソババアが!」


…クソババア?1度ならまだしも2度も言いやがって!仏の顔は3度までだが私の顔は2度なんだよ!


「ライン超えライン超え!お前らクソガキ覚悟しやがれ!『眠りの誘い』!ST全消費!」


「……う、ああ、、、なんで、体が、動かない、、、」


「けんちゃん!?おいババア何しやがっ……。っく、くそが!」


こいつらにST15って無駄使いしすぎたかな?ま、ええやろ。


【プレイヤー†悪魔道士 クラウン†、Яeinに過剰な状態異常『眠り』がかかったことにより永続型状態異常『嗜眠症』を患いました。】


嗜眠症?うーんなんだそれ?効果はなんじゃらほい

嗜眠症 日中全ステータス10%down

時間帯『夜』の場合状態異常『眠気』『眠り』になる。治療可能。


「うーん。強すぎ。というかどんな状況なんだろ。まあ適当にオオカミの近くにでも投げればいっか!」


また上手い具合に編集しないとね。もっと踊らせた方が良かったかな?まあ内容薄そうだし『嗜眠症』の説明位はしてやるか!というか手の内バレても対処出来ないっしょ。


「まあちょっと大人げなかったかな。ごめんね。……それは置いといて、、、よし!オオカミ連れてくるか!」


やりすぎたことは謝るがババア呼ばわりしたことは許さん!こちとらピチピチの20代やぞ!罰は受けてもらおう。


*****


みんなおはよう!いい朝だね!太陽が嬉しすぎて真上にいるよ!


「さあ、朝(昼)ご飯でも食べてログインしますか!あ、昨日のやつ編集しよ。あの空間で編集出来ればいのに。」


ちなみに試みた猛者曰く『時間がバグり出してそこからなんやかんやあって燃えたから気をつけろ』との事。……怖すぎんだろ。


「いやちげえわバイトあるわ忘れてた。」


カタカタやってる場合じゃねぇ!


*****


バイト終了!飯も食った!いや食いすぎた!


「ぐうぇ、食いすぎた。」


吐きはしないけどお腹がきつい。まあ放ってたら治るっしょ!


「そういやクソガキで忘れてたけどなんか凄そうなクエストなかったっけ?」


ええっと、うーんと、あ!これこれ!『古き狼王の遺産』?なんか凄そう!詳細は?ふむふむ、………なるほど!うん!わからん!


「まあつまりどっかにある偉い犬の墓を探して漁ればいいって事ね!……我ながら考えられる最悪の例え方で草」


墓荒らしなんて………リブラちゃん優しすぎてそんなの無理だよ〜〜


……あ?何見てんだお前ら。潰すぞ?あ、ファンなんですね!こんにちは本日はお日柄もよく………


*****

(運営side)


「なあお前、このリブラってやつの知り合いだよな?」


「ああ、前にも言ったけどそうだぞ?」


「つまり友達ってことだよな?……あいつの行動パターン分かったりするか?」


「リアル2日でお前はあいつがどんなやつかわかったんじゃないか?そして誰も読めないということも」


「だよなぁ〜。どうしようか。一応プランA、B、C、があるんだが。」


「どんなの?」


「Aパターンがこっちに引き込む。Bパターンが完全に放置。Cパターンがこいつを最大限利用する。」


「Cパターンについて聞いても?」


「お前は人間がどれくらい利用規約を読んでると思う?」


「うーん絶対に少ないよね。」


「そうだ!そしてこのゲームの規約には後ろの方に『映像は常に保存、監視されており、宣伝等に使用されることがあります。』と書いてある。そこでそいつの映像をふんだんに使ってかさらに売上をあげるぞ!」


「でもただでさえ製造が間に合ってないのにCMなんて作ってる暇あるのか?」


「ふっ甘いな。寝起き1番の水くらい甘いぞ!」


「絶妙に分かりにくいな。あとそれ味覚障害の可能性もあるらしいぞ。」


「え、うそ……ま、まあそれはそれとしてな。海外の大手企業と契約を結んだんだ。そのおかげで製造スピードが遥かに上がったんだ。だから製造には問題ないぞ。」


「へぇ〜。じゃあリブラの恥ずかしいところから探していくか。」


「お前なかなかえぐい性格してるな。」


「………あれよりマシですよ。」

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