第九話 「蜥蜴の尾」

 倉橋が割れている。


 綾乃を殺そうとする勢力と、守ろうとする勢力に。



 「事態は三つ巴所か乱戦状態ということか」

 息子から報告を聞いた由忠が腕組みしながら唸る。

 「お父さん」


 ゴツンッ!


 口を開いた水瀬の脳天に由忠の一撃が炸裂する。

 「バカモンッ!仕事中だ!大佐と呼べ大佐と!」

 「……先月まで少将だった大佐ドノ」

 涙目で精一杯のイヤミをいう水瀬。


 ゴツンッ!


 「上官侮辱罪で殺されたいか!」

 「ホントのことなのにぃ……」

 「あら、由忠さん、降格ですの?」

 お茶を持ってきた由里香が驚いた顔で訊ねてきた。

 「このバカ息子の不始末のおかげでな」

 「ホントは伊勢の巫女にちょっかいだして問題になったから」

 

 3発目はなんとか逃げる水瀬


 「ったく、とにかくだ。倉橋の二勢力に、イーリスのいう何とか教団、そして我々ということか」

 「あの、大佐。倉橋のもう一つの勢力となんとか共同戦線は」

 「張れんな」

 「?」

 「奴らが何のために綾乃ちゃんを拉致するかだ」

 「……あ」

 そう。

 言われてみれば出来るはずがない。

 彼らの目的は恐らく水月の儀の巫女としての綾乃。

 そして水瀬達は水月の儀そのものから綾乃を離したい。

 共同歩調など、とれるはずがない。

 「少しは頭を働かせろ。焦っているぞ」

 「すみません」


 「ただ、限界はあるぞ」

 「ですね」

 「限界?」

 「事は公には出来ない。極秘にやるにはこちらの手駒が少なすぎる」

 「近衛からの増援は?」

 「相手は倉橋だ。下手に動くと事が公になる。うち(水瀬家)の手駒も動かせないな」

 「あの、由忠さん?」由里香が迷いながら言った。

 「いっそのこと、綾乃が狙われていることを明らかにすれば……」

 「マスコミが感づき、倉橋が手出しできなくなると?それこそ逆効果だ。マスコミの取材攻勢に紛れ込まれたらそれこそ対応が困難になる。しかも、他にも倉橋の巫女の力を欲しがっている勢力は少なくない。争奪戦にこれ以上のエントリーは御免だ」

 「じゃ、綾乃は」

 「我々だけで守るしかない。学校は悠理、お前の責任で何とかしろ。外は私とごく少数で何とかする」

 「イーリスさんは?」

 「芸能活動中の護衛につけろ。何とか教団への牽制にもなるし、第一、女だから何かと役に立つ。で」

 ちらりと由里香を見る由忠。

 「私を引き留めている理由は?綾乃ちゃんの護衛ならバカ息子で十分なはずだが」

 「はい。ご意見を伺いたくて」

 由里香が懐から取りだしたのは一通の手紙。

 「有里香からです」

 「!?」

 

 手紙の中身は、要約すると以下の通り

 

 母が重体で余命幾ばくもない。

 ただ、やはり母子の情は消すことも出来ず、母は由里香に会いたがっている。

 手紙を書く少し前に母は勘当を解除した。

 どうか、一目でいいから、母と会ってほしい。

 

 「ワナだ」

 由忠は、手紙をテーブルに放り出すと言い切った。

 「みすみす殺されに行くようなものだ。止めろ」

 「おばさん、止めた方がいいです。絶対、ワナです」

 「わかっています」

 決意を目に秘め、由里香は言った。

 「馬鹿なことを。昭博は何と言っている」

 「相談しました。君の判断を信じるとおっしゃっていただきました」

 「おいおい、無責任にも程があるぞ……」

 「主人は、私を信じてくださっています。倉橋、いえ、水月の儀に人生を狂わされた者同士として」

 「しかし、綾乃ちゃんはどうする!?」

 「悠理君にもしもの時はお願いいたします。水瀬家との縁談の件、よもや破棄されはなさらないものと信じておりますが?」

 「……一人娘を孤児にしてでも守ろうとするものか?それほどの価値があるのか!?何様のつもりだおまえら夫婦は!」

 戦いの中で最も大切なのは生き延びること。

 だからこそ、自分は大切にしなければならない。

 守るべき者も、生きていればこそ、守れるのだから。

 だからこそ、由忠は命を軽んじているとしか思えない由里香の言葉に噛みついた。

 子を大切に思い、子を守るためにその命すら代償として差し出す。

 その気持ちは、同じ親としてわかる。

 だが、子として、それを喜ぶかは別だ。

 親を自分のために失ったことを、子供が喜ぶだろうか?

 否

 断じて否だ。

 とかも、それが母というならばなおさらだ。

 断じて、由里香のこの軽はずみな行動は止めなければならない。

 

 

 「欲しいのは未来です」

 由里香は言い切った。

 「私達夫婦の、いえ、倉橋によって今、綾乃という私達の未来が失われようとしているんです」

 「エゴだよ!そんなものは!おまえらが死んで、あの子が助かったって、あの子が喜ぶはずはないだろう!守るといって、未来を殺そうとしていることに、何で気づかない!」

 「それでも、私は行かなければなりません」

 「勝手にしろ!自殺志願者まで面倒見切れるか!」

 「お父さん!」

 「ならお前が面倒見ろ!そんなエゴに付き合えるか!冗談じゃないぞ!」

 「お父さん、少し冷静になって下さい。おばさんも、もっと考えて」

 水瀬の説得に、二人共、従おうとはしなかった。

 「俺は断る」

 「私は、行こうと思います。有里香の所へ。過去を清算しに―――」




 

イーリスを押さえれば、綾乃の拉致を目論む連中は黙らせる事が出来る。

 問題は倉橋だ。

 そう睨んだ由忠の読みは今のところ当たっていた。

 イーリスが寝返ったのか、それとも単独でチャンスを狙っているだけなのか、おそらく彼らも見極め切れていないらしく、彼らからの動きはない。

 だが、時間的には倉橋家はそろそろ動く。

 だからこそ、綾乃の護衛には実力者が欲しい。

 判断の吉凶が占われようとしていた。


 

 「―――ぐわぁぁぁっ!!」

 イーリスの放った火球の直撃を受けた男(騎士)がなすすべもなく吹き飛ばされる。


 帰宅途中の綾乃を襲った場所は、なんと堤防沿いの公園の中。

 学校帰りの人目につくこんな所で襲ってくるとは、敵も余程焦っているらしい。


 イーリスが頼まれた仕事、それは綾乃の護衛。

 拉致の対象を護衛しろなど、依頼する者の正気を疑いたくなるが、しかし、今のところはイーリスはその任務に忠実に従っていた。

 敵が動かなくなるのを確かめたイーリスはナイフを鞘に戻した。

 「大丈夫だな?」

 「は、はい」

 背後に立つ綾乃を一瞥すると、何事もなかったかのようにその場を離れようとするイーリスだったが、

 「ち、ちょっと待ってください!」

 「?」

 綾乃はハンドバックから何かを取りだしながらイーリスの腕を掴んだ。

 「ケガしてます。絆創膏、ありますから使ってください」

 よく見ると、イーリスの右腕から薄く血がにじんでいた。

 「この程度、どうということはない」

 「よくありません!」気色ばんでイーリスに詰め寄る綾乃。

 「?」

 「女の子なんですから、ダメです。跡が残ったら大変じゃないですか!」


 イーリスは言葉が出なかった。


 “女の子”として自分を見る者がいるとは思っていなかったから。


 イーリス自身、自分を戦闘兵器として見ることはあっても、性別で自分を見ることをいつの間にか忘れていた。

 

 そうだ。私は女だったな……。

 それすら忘れていた自分が何だかおかしかった。


 そう。

 私は女だ。

 私自身が忘れていても、変わることのない真実。

 それを、思い出させてくれる者がいるとは―――。


 「そうか。なら、もらおうか」

 「はいっ」

 

 「イーリスさんって、日本語上手ですね。ご出身はどちらなんですか?」

 ベンチに座り、イーリスの腕に絆創膏を貼る綾乃が、不意にそう訊ねた。

 「何?」

 「あ、よければ聞かせてもらえればなって」

 「……お前達日本人が知らない、東欧の小さな国だ」

 イーリスは不意に空を眺めながらポツリと言った。

 「山脈の麓、ほとんど岩だらけの貧しい土地だった。どこまで行っても荒野が続く不毛な大地が広がる。ただ、そこに住む人々は、例え貧しくても神を信じ、明るく日々を精一杯送っていた」

 「いい所だったんですね」

 「―――そんな中に生まれたはずの私の記憶は、銃声と硝煙の匂いから始まっている」

 「!」

 「私の国は、長い間、内戦が続いていた。多くの人々が当たり前の様に殺し、殺されていく。そんな状況だ。もう、殺し合う理由すら誰も彼も忘れていたのかもしれない。そして、戦禍は、村にもやってきた。今の私の記憶は、そこから始まっている」

 「イーリスさん……」

 「当時、まだ子供だった私には敵が誰だったのか、なぜ、村が攻撃されるのか、何一つわからなかったし、わかる術すら持たなかった……襲撃の後、私を守って死んだんだろう、母親の死体の下からはい出した私が見たものは、かつて私の愛した村だった廃墟と、私の愛した村人達だった死体達だ……村でただ一人の生き残った私にとって、戦災孤児の私にとって、世界は決して優しくはなかった。嘆きの言葉を聞く者すらない中で、私は泥水をすすり、人間の屍肉すら食べ、生き延びようとした。そして、私は今所属している組織と出会い、修行の日々の末、今、ここにいる」

 「あ……あの」

 「つまらんことを言った。忘れてくれ」

 「ごめんなさい!」

 綾乃はベンチから立ち上がり、ペコンッと頭を下げた。

 「あ、あの、私、そんなに深い過去があったなんて知らなくて、い、イヤな事を思い出させてすみませんでした!」

 「……なぜ、謝る?」

 「で、でも」

 「過去は否定できない。ただ、あったことをあったこととして話しただけだ。何もお前に非はない」

 「イーリスさん」

 「むやみに謝るな。お前達日本人の悪い癖だ」

 「イーリスさんって、強いですね」

 「?」

 イーリスの横に座り直した綾乃が感心したように言った。

 「運命ってよく言うじゃないですか。私、なんだか全部運任せで来たから、自分で運命を切り開いてきたイーリスさんみたいな人って憧れるんですよね」

 「憧れ?」

 「ええ。自分の運命を自分でつかみとる強さが、私にはないから」

 「……お前は、そうしなければならない」

 「でも私……」

 「今、お前は人生の岐路に立たされている。今回の件は、そういう意味だ」

 「え?」

 「殺されるか、倉橋の巫女として、あるいは我が教団の依代として自己を消されるか、あるいは、今の生活の延長か」

 綾乃は目を見開いてイーリスを凝視した。

 「全ては、お前の意志一つだ」

 「イーリスさん」

 「お前は、運命を決めろ。未来は、自らの意志で勝ち取れ」

 綾乃は、じっとイーリスを見つめた後、思い切って訊ねた。

 「勝ち取れますか?私でも」

 「それはお前次第だ。お前がどうしたいのか、それをまず見定めろ。無闇に神を頼るな。この世界の神は偽りの神。真実の神の力は期待できない。最も期待できるのは己の内面、いわば心だ。心を研ぎ澄まし、その声を聞け。そうすれば道は開く」

 




あの口論の夜が明け、それぞれが自らの目指す目的に向け、動き始めた。


 由里香は倉橋へ戻る道を進み


 由忠は由里香の護衛監視を直属の部下に指示し、イーリスと共にいずこかへ姿を消した


 しかし、決別したように見える二人は、同じ道を歩いていた。


 進むべきは―――


 ただ、己自身の信じる道。

 

 ただ、それだけのこと。




 

 「お母さん」

 母の部屋に入るのは綾乃にとって久しぶりだった。

 「あら?どうしたの?」

 荷造りに追われる由里香を心配そうに見つめる綾乃。

 「大丈夫?」

 「何が?」

 「実家に戻るんでしょ?あの……」

 チラリと見たテーブルの上には、あの某手裏剣が鈍い光を放っていた。

 言葉に詰まる綾乃。

 彼女だって、何がなんだかわかってはいない。

 ただ、母親が危険な目にあうのを何とか止めたい。

 ただ、それだけなのだ。

 「綾乃」

 荷造りの手を止め、静かに綾乃を見つめる由里香。

 「―――人はね。結構毎日を運任せで生きてる。だけど、時には自分から運命を切り開かなければならない時だってあるわ。自分の手で未来を作り、守る。そんな時がね」

 「お母さんにとっての未来って何なの?死ぬかも知れないんでしょう?それって、命より大切なことなの?」

 「……そうね」

 由里香の未来が、泣きそうな顔で由里香を見つめている。

 「そんなのヘンだよ!死んじゃったら何にもならないじゃない!」

 無言で綾乃を見つめる由里香の視線は、いつしか優しい眼差しに変わった。

 いつもの綾乃を見る眼差し、慈愛の眼差し。

 「あなたも、親になればわかるわ。きっとね」

 「そんなの……」


 私は、その意味を、今、知りたいのに。


 何が起きているのか。


 そして、私に何かできないのか。


 お母さんは勝手だ。


 でも、ここでこれ以上お母さんの足手まといにはなりたくない。


 だから、泣きたいけど止めよう。


 そう。お母さんのためにも、ここで泣くべきじゃない。

 

 それでも―――


 心の中で、綾乃は泣いた。

 





 その日の夜

 トイレに部屋を出た綾乃がしでかした失敗は一つ。


 ただ、致命的な一つだった。

 

 水瀬と由里香に、寝るときは必ず必ず掛けろといわれていた呪符をカギと共に外したままにしてしまったこと。


 そして―――。


 コンッ

 

 コンッ


 「……?」

 ドアを誰かがノックする音で綾乃は目を覚ました。

 目ぼけ眼をこすりながらドアに向かう綾乃。

 自宅のことだ。警戒心は最初からなかった。

 

 コンッ


 コンッ


 「誰?お母さん?どうしたの?」


 返事はない。

 「?」 

 ドアノブに手を掛けた途端、

 「!!」

 全身を走る電撃に綾乃の意識は途絶えた。

 

 カチャ……

 

 開いたドアの向こうから現れたのは黒装束の男達。

 一人の手にはスタンガンが握られている。

 全てが音もなく進む。

 

 ぐったりと床に倒れ伏す綾乃をそのうちの一人が抱きかかえ、


 そして、彼らは夜の闇に消えていった。



 綾乃の家の前に止まっていた車は2台。

 玄関と勝手口の双方に一台ずつ。

 綾乃が乗せられた車が裏口から発進した後、由里香を抱きかかえるもう一つの黒装束の集団が玄関を出た所で、彼らは立ち止まざるを得なかった。


 月明かりの下、するどい眼光が男達をにらみつけている。


 もし、犬に例えるなら、彼らを待ち受けていたのは単なる番犬ではない。


 むしろ地獄の番犬、ケルベロスそのものだ。


 人間というより魔族という方がしっくり来るほどの恐怖を相手に与える男。


 そう。

 

 由忠だ。


 「どこへ行くのも自由だが、その女は置いていってもらおうか」

 その一言に、わずかな衣擦れの音を残して黒装束の男達が一斉に由忠を襲い、そして、逆襲を受けた。


 「地獄行きがお望みか」


 彼らの目に由忠は動いたように見えなかった。

 玄関に、鈍い音が響き渡る。

 

 「ぐっ!」

 「がっ!」

 何のことはない。

 ただ、彼の一撃が彼ら全員を同時に襲い、彼らがその力に屈しただけだった。


 「……倉橋も案外不甲斐ない」

 由忠が放ったのは単なる手刀。

 ただし、12の目標を同時に攻撃でき、命中すれば防護服越しでも無事では済まないほどの、だ。

 断末魔の痙攣にもがく彼らを踏み越え、玄関に倒れる由里香を抱きかかえる。

 どうやら薬で眠らされたらしい由里香の艶めかしくうなじに張り付く髪や、少し開き気味な寝間着の胸元を眺めながら、由忠は思う。


 子供を産んだとは思えない華奢な腰に手を回すとつくづくだ。


 (やっぱりいい女だ)


 昭博め、あいつはやっぱり何か間違っている。


 ――あいつの顔を立てたり、妊娠してなければ絶対あの時……


 「……」

 ぶつぶついう由忠の横に現れたのはイーリスだった。

 「敵か?」

 「敵です」

 「ほう?」

 「瀬戸綾乃の誘拐は諦めました。しかし、その女とて倉橋の巫女。ならば、瀬戸綾乃のかわりとしては申し分ないでしょう」

 「支離滅裂だ」


 何もないかのように由里香を玄関の中に運ぶ由忠。

 「何もわかっていないだろう?何もわからず、進む先がどこなのかも気づかず、ただ遮二無二進むのはバカのやることだ」

 その後に続くイーリス。

 「それでも私は命令に従います」

 月明かりに照らし出されたイーリスの髪は銀色に光り輝いていた。

 その決意に満ちた眼差しと共に、由忠の目にはイーリスが輝いて映った。

 「無駄だ」

 「無駄でも!」

 「……」

 ナイフを抜くイーリスを、何故か由忠は見ていない。

 「教団に戻る?奴らにとって、お前はもう用済みらしいぞ?」

 「私は教団の―――」

 言い終わる前にイーリスは由忠に抱きしめられる形で地面に横たわっていた。

 

 銃声は1発。

 

 とっさに張ったイーリスのシールドを破り、イーリスを抱きかかえた由忠の頬をかすり、玄関に風穴を開けた。


 「対呪用特殊加工弾だな」

 魔法騎士の展開するシールドを突き破るように魔法によって加工された銃弾。

 間違いなく、魔法騎士たる者を殺すための弾丸。


 それが二人を襲った。


 その意味が、イーリスの思考を制圧した。


 「……」

 「わかってるな。今の弾道、どこの誰が狙われていたのか」

 「わ、私は」

 真っ青な顔で震えるイーリスは、弱々しく両腕で体を抱きしめた。


 そう。


 弾丸は由忠ではない。間違いなくイーリスを狙っていた。


 「私は職務に失敗した。だが、だからといって用済みにされるほど」

 「安いんだよ。奴らにとって」

 「!」

 「いまの一撃が、その証拠だ」

 「う、うそだ」


 教団。

 それはイーリスにとって拠るべき所、そして、全て。

 その全てから、イーリスは拒絶された。

 

 誰でもいい。 


 イーリスは願った。


 これが、


 これが、何かの間違いであると告げて欲しい。


 何かの間違いだと―――。

 

 だが、由忠の口から出た言葉は、違った。

 

 「お前は、教団に捨てられたんだよ」

 

 イーリスは、遠のく意識の中で、地獄に堕ちる浮遊感を感じ、

 そして、意識を失った。






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