#23 新しい部屋3

朝、チャービルの部屋にて。


チャービルは起きるとリビングに行く。


やあ、ビル。


ん? うわあ! お前なんでここに居るんだよ。


リビングに居たのは食パンを食べるグスマンだった。


なんでって、話したいことあるから来た。


どうやって入った?


どうやって? 冗談か? お前の合鍵はおれが持ってる。


あー、そうだったな。


なあ、聞いてくれよ、新しい部屋が見つかったんだ!


新しい部屋?


そうなんだ!お前の家から遠くなっただろう? あと元から新しい部屋探しててな。それでみつかった! この家から近い!


へー!


と、そこにコンコンと音が鳴る。


ん? 誰だろ?


ケリーじゃないのか?


あいつはいつもノックなんてしないだろ、第一このアパートにどうやって入るんだよ。


たしかにな。


どなたー?


と、チャービルは声を掛ける。


すると扉越しにいる人物は低い声で返事をした。


おれだよ、おれだおれおれおれ。


は? なに? オレオレ詐欺か?


なんだと!? 声でわかるだろ?


は? 誰だよ全く…… 。


と、チャービルは扉を開ける。


そこには太っちょの男がいた。


やあ…… ピーター…… 。


やあ、ビル。


チャービルは明らかなに嫌な顔をする。この男はピーター・メリマン。職業は公務員だ。


なんだよ。


お隣に越してきたんだな、挨拶に来た。


げ、お前ここに住んでるのか。


いいや、お隣と言ってもおれは6階だ。


でも同じアパートなんだろ?


まあな。


で? 何の用だ? 嫌がせか?


そう…… いや、挨拶だってば。これから毎日会えるな。なんでお前は挨拶に来ない?


は? お前がここに居るとは知らなかったんだよ。それと心の声がバレバレだぞ。


あっそう。じゃあまたな!! うひひひひっ!!


と、ピーターは去っていく。


なんだあいつ。


だれだ?


憎まれ役ピーター。


あーあいつか。ここに住んでたのか。


と、グスマンが言う。


チャービルは扉を閉めると、そのままソファーに座る。


あのピーター・メリマンはアーリントン、アービング、フォートワースの公務員でバスの運転手だ。


太っちょで雨嫌い、目付きが悪い男で性格が悪い。このスキロスアパートB棟6階270号室の住人だ。


昔、グスマンとフォートワースで彼のバスに乗ったことで知り合う。その時しつこく野球の話をしてきた。

というのもチャービルとグスマンが野球の話をしてた所に、会話に入ってきたのだ。彼も野球が好きらしい。よく、スタジアムでも会う。


はぁ…… 楽しくなりそうだ、このアパート。


と、チャービルはため息を着きながら言う。


それは皮肉だな。


そうグスマンが言った。



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