#22 新しい部屋2

前回までは、チャービルの住むスキロスA棟が何故か火事になってしまった。


一時ホテルに避難したチャービルだったが、今後住むところに悩む。後日、スキロス・オーナーのダニエルの提案、好意によりスキロスB棟に住むことになったのだが……






スキロスB棟161号室にて、チャービルとケリーとグスマンがいた。




チャービルはテナガザルみたいな顔して、眉間辺りをポリポリと搔いていた。




場所、位置関係申し分ない。部屋も5階でしかも一番奥で中も綺麗で申し分ない! あのピンクのソファーだけ除いてな!




と、チャービルはピンクのソファーに指を激しく指す。




なんか哀れね…… 。




と、ケリーが言う。




なんだと!?




元はお前が置いた灯油のせいだろ!?




は? 待ってよ、置いていいって言ったのは貴方よ! それに全て半分ずつしか入ってないし、どうやったら火事が起きるのよ!!




ケリーはチャービルの言い草に言い返す。




てことはあれか? 独りでに動いてコロコロガシャーンッ! てか? そんなアホな、いさましいちびのトースターでもあるまいし。




と、チャービルは言う。




まあまあ、その辺に。




と、珍しくグスマンが二人の言い争いを止める。




まったく…… 。




チャービルはため息をつく。




まあいいわ、そのおかげであのボロい部屋から新品同様の部屋が手に入った。私のおかげね。




ほらやはり君のせいだ。




なによ!




まあ、ここは良さそうだ。講演会場も前より近くなったし。




そうよ。




ところで、お前らはどうするんだ? 帰るのか?




帰るわよ、実は私アーリントンのほうが家から近いの。




僕は少し遠くなる。と言っても5分ぐらい…… 。




5分ぐらいならいいじゃないか。




何言ってんだ! 5分って結構遠いぞ!




あっそ。




私は今の家から20分よ。前は30分かかってた。




そうなのか。




おれはこの家から35分だ! 前は20分で行けたのに。




あのな、グスマン、それはもう5分程度じゃないぞ。




あ、そうかもっと離れるのか。




おれビーニーズで夜食べて、ホテルにある荷物持ってくるけどいくか?




と、チャービルは2人にきく。




ビーニーズには行く、でもホテルは行かない。そのまま帰る。




私もよ。




そうか、わかった。なら気晴らしに行こう。




そう言うと3人はビーニーズに向かう。






──────── ビーニーズ2号店にて




あんまり1号店と変わらなくて安心したよ、ビーニーズ。




と、チャービルが言う。




そうね。




2号店は1号店とはそんな内装は変わらない。変わっているのは外装だけだ。2号店のほうがオーナーがよく居るそうだ。アービングに住んでいるので、アーリントンの方が近い。




さて、そろそろホテルいくよ、本当に行かないのか?




行かないってば!




と、ケリーが言う。




また明日来るわ。荷物そんな多くないでしょ。




まあね、大きなバッグ1つだけだ。あと、ダニエルと会わなきゃな。部屋の荷物が安全か聞かないと。




明日でいいんじゃない?




そうだな、もう遅い。ホテルいって、戻ったらテレビでもみるよ。




そのほうがいい。




と、チャービルとケリーが話す。




チャービルは会計を済ませ、昨日泊まったホテルに向かった。




ケリーとグスマンは電車で自分の家に帰る。




また明日、チャービルの部屋に集まるだろう。



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