#21 新しい部屋


アーリントン、ミルビーロード周辺。




ねえ、そのB棟はどこにあるの?




と、ケリーが言う。




たしかビーニーズの2号店の近くにあるらしい。




驚いたな、ビーニーズがあるのか?




と、グスマンが言う。




ああ、あるようだな。あれかな?




と、チャービルはビーニーズらしいお店を指さす。




このビーニーズはオレンジ色だな。




すごい色だな、なんかエネルギッシュな感じ。




と、グスマンが言う。




とにかくこのビーニーズの近くにあるはずだ。あれかな? B棟は?




そうチャービルが言う。




その建物は以前チャービルが住んでいたスキロスA棟とそんな風貌は変わらない、紫色ぽいレトロなレンガ造りのようなオシャレなアパートだ。中にはちゃんとエレベーターもあるし、管理人もいる。




ここの161号室だそうだ。




チャービルはそういうと、B棟にケリーとグスマンと入った。




チャービルは管理人から鍵を貰う。




やあ、チャービルだ。ダニエルから鍵預かってないか?




あ〜あの売れないコメディアンか。




う、売れないコメディアン?? いやおれはビブリオセラピーだ。コメディアンじゃない。




はいよ、本好きはうるさいな。すきだよそういう所。えーと君はたしか161号室だな、5階の。あ、あったあった! 持っていきな泥棒!?




はあ? なんだって? おれは何も盗んでないぞ? なにいってんだ?




軽いジュークだよ!! 映画でよくあるだろ? 一度言ってみたかったんだよねー!




あっそ…… 。




なんだよ? コメディアンなら面白い事いえよ。




だから俺はコメディアンじゃないって!




わかったよ、はやくいきな。




そうするよ、またな。




チャービルはそういうと、エレベーターにのる。グスマンとケリーも続く。エレベーターにのると、先ほどの管理人の噂を言う。




あいつとはこれからも不穏な空気を感じるな。




と、チャービルが言う。




そうだな、でも売れないコメディアンとは上手く言ったものだ(笑)。




グスマンはチャービルを貶す。




うるさいぞ! グスマン! 




でもなんか鼻につく言い方よね! 聞いててむかむかする。




と、ケリーが言う。




話している間にエレベーターは5階に着く。「チーン」と着いた音がする。




お、着いたみたいだな。




と、チャービルが言う。




3人は降りると、部屋番号161号室を探した。辺りを見渡す。161号室を見つけたのは、グスマンだった。




おい! あったぞ、161号室を。




おっ! あったのか、どこだ?




ここだ!




チャービルとケリーはその場所に向かった。




ここか、なるほど。エレベーターから右奥の一番右の部屋、さらにこの中世みたいなレトロな扉、隣はだれがいるのか分からない。もしかしたら、グスマンみたいな隣人がいるのかもな、おかしいやつが。




と、チャービルが言う。




減らず口言ってないで、さっさと開けろよ。




グスマンは少し機嫌が悪くなる。




はいはい。




チャービルが扉を開ける。




あいたぞ、ここが新居だ。




3人は、161号室にはいる。




お! いいわね! 




と、ケリーが言う。




3人は部屋を見渡す。




すると、ケリーが言う。




うん、いい部屋…… ピンク? ねえ、ビル、グスマン。




どうした、ケリー。




これどう思う?




グスマンとチャービルはケリーのほうへ来る。




なにが? たかがピンクじゃないかケリー。




ビル、あなた本気? ピンクのソファーよ!! 




うんピンクだな、あ!! ピンクだって!? なんでだ!?




ピンクね。




と、グスマンは笑う。チャービルはびっくりして頭をかかえる。




なんでピンクなんだ?




さーね? きいたら?




と、ケリーが言う。




そうするよ。




チャービルが答える。




場所良き部屋も良き、家具もある、しかも5階の奥の位置で素晴らしい部屋にテンションが上がる3人だったが、ピンクのソファーをみて明らかに嫌そうな顔をみせていた。主にチャービルが嫌そうに顔がブルドッグみたいだ。グスマンはそれをみて笑っていた。

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