♯20 ダニエルのお詫び

夜、19時頃だった。チャービルたちはベアン講演会場から帰りにビーニーズに向う途中、「カンカンカンカンカン」と消防車の音がする。


なんだろ? 家事かな?


と、チャービルが言う。


どうやら向こうで火事だな。どこだろ?


グスマンが言う。


ねえ、向こうってビルのアパートのほうじゃない?


そうだな。


3人は不審に思う。


ねえ、行ってみない?


と、ケリーが言う。


そうだな、まさかうちのアパートだったりして(笑)


そうチャービルは笑いながら言う。


3人はアパートに向かうことにした。


アパート周辺で消防車やらやじ馬たちが集まっていて、大変なことになっている。


なんだ?


ねえ!ビル! アパートを見て!


とケリーが言う。


え? なに!? なんだこりゃ!?


ビルたちが見たものはチャービルが住んでいるスキロスアパートだった。


なんでこんなことに!?


さっきチャービルが言っていたことが本当に起こっていた。


そこにダニエルが来る。


やあ、ビル。


ダニエル!? アパートどうしたんだよ!


わからん、君の部屋あたりから火事が起きたみたいなんだ。


おれの部屋だって? 特に付けっぱなしのものはなかったし、料理もしてなかった。


なんだって?


ねえ…… 。


と、ケリーが呼ぶ。


ごめんダニエル、また話そう。


ああ。


なんだよ、ケリー。


もしかしたら、灯油…… 。


あ!? まさか? でもそんなことあるのか?だれも触ってないだろ?


なんでかな? でもあなたの部屋って。


なあ、もしかしたら倒れたのかな?


と、グスマンが言う。


倒れた? なんで? そんな簡単に倒れるか?


なんでかな? 思っただけだ。


今日どこで寝よう?


ホテルだな。


と、グスマンが言う。


ホテルいくか…… 。


ご愁傷さまね、ビル。


と、ケリーはチャービルの肩にポンと手をおく。


あーもう、最悪だ。


と、悲しがるチャービルであった。


──────── 次の日・ホテル


コンコンと部屋をノックするグスマン。近くにケリーがいる。


チャービルは扉を開ける。


やあ、グスマン。入ってくれ。


いいホテルね、テーブルにナッツが置いてある。豪華ね。


と、ケリーが言う。


ああ、まあね。


行こうか。


と、3人はアパートに向かう。昨日ずっと消火を行っていた。深夜に消し終わったようだ。よくテレビ等でみる黄色いテープがアパートの入口に張られていて、立ち入り禁止となっている。偶然なのか怪我をした人はいたが、亡くなった方や見つかっていない人もいないそうだ。


なあ、ぼくの心は燃え尽きたよ真っ白にな。


と、チャービルがアパートが灰色化した景色をみて言う。


ああ、そうだな。


と、グスマンが言う。


そこにダニエルが来る。


やあ3人とも。


ダニエル、すまない。なんと言えばいいか……。


もういいんだ、ビル。古い建物だったし、所々木製だったからどっかの火花で建物に移ったんだろう。君、住むところどうするんだい?


と、ダニエルはチャービルに聞く。


それが、行くところはないんだ。ホテルあるけど高いし。


なあビル、 よかったらもう1つのアパートに来ないか? 空きがあるんだ。


なんだって!? いいのかい? ぼくの部屋から火事が起きたんだろ?


いいんだ、こういう時は助け合いだ。起きてしまったのはしょうがない。それにこれはお詫びだと思ってくれ。


お詫び? なんで?


いやなんでもないんだ。


と、ダニエルは目をそらす。


なにかあるのかい?


え、いや! なにもないよ。 実はアーリントンにアパートがある。そこに来ないか?


いいね! どこなんだい?


アパート名は同じだよ。ここはA棟。アーリントンにB棟とC棟がある。君はB棟に来てくれ。場所はミルビー・ロードの近くだ。近くにビーニーズ2号店があるから、目印になるだろう。


よかった、2号店があるのか。わかった、今日そこへ向かうよ。


鍵は管理人室に置いてあるから、貰ってくれ。部屋は161号室、5階だ。そのアパートは7階立てでエレベーターがあるからそこなら入ってくれ。


ありがとう!! 助かるよ、そういえば家賃は?


それはおって話すよ、でもこのアパートより少し高めだ。


わかった大丈夫だ。ありがとう、ダニエル。


ああ、早行ってくれ。


わかった!


と、チャービルはそのアパートに向かうことにした。

荷物は仕事用のバッグだけだ。中には本や少しの服、財布などがある。


ねえ!聞いてくれよ2人とも!


なに、チャービル。


と、ケリーが言う。


チャービルはさっきのアパートの事を話す。


本当に!? よかったわね! 早くそのアパート見に行きましょう!


と、3人はアーリントンのアパートに向かうことにした。そのアパートはどんなアパートなのか。


まさかの最悪の出来事が起こってしまった。だが、新しいアパートに住むことになった。



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