♯19 灯油は災いの元

朝方フォートワース、チャービルが住む「スキロスアパート」。


朝起きて、今日講演会で話す本を決めている。


ん〜 今回はファンタジーにしようかな? それとも恋愛系かな?


と、そこにグスマンが部屋に入る。


やあ、ビル。


やあグスマン。なあ、聞きたいんだけど今回の本どっちがいいと思う? ジョージ・オーウェルの1984年と

ゲーテの若きウェルテルの悩み。


そんなのどっちでもいいよ、それより聞いてくれ。ここに来る時1ドル拾った。今日は運がいい。


と、嬉しそうな顔をするグスマン。


あそう。


そこにケリーもくる。


やあ、おふたりさん!


おはよ、ケリー。


と、チャービルが言う。


ねえさっき誰にあったと思う?


え? だれだよ。


チャービルが聞く。グスマンは新聞を読んでいる。


チャービルは紅茶を入れながら、話す。


ジミー・フィリップよ。


ジミー・フィリップ? だれだ?


知らないの? 有名な映画ライターでアートセラピーをしてる人よ。


へえー、おれと似てるな。


そうね。


あ、紅茶いる? 2人とも。


今日は?


と、グスマンが言う。


アップルティーだけど?


それなら貰う。


ケリーは?


私も頂くわ。


わかった。


チャービルは自分の分とケリー、グスマンの紅茶を入れる。


出来たぞ。


3人はソファーに座って紅茶を飲む。


落ち着きながら話す。


今日も平和ね。


と、ケリーが言う。


そうだな。


あ、ねえここにちょっとだけ灯油置いていいかしら?


え? なんで?


特に意味はないけど、明日とりに来るから。


いいよ明日取りに来いよ。


わかった。


どうやって運ぶんだ?


実は私、車で来たの。


お前が車で? 珍しいな? だれの?


友達の車よ、手伝ってくれない?


いいよ、2ドルね。


え、2ドル? なんで?


だってここまで持ってくると手伝った上にこの部屋に1日置くんだろ? 2ドルだ。


わかった、行きましょう。と、ケリーは財布から2ドルを取り出して、チャービルに渡す。


まいどあり♪


と、チャービルは笑顔になる。


グスマンはいくか?


行かない。


行こう、ケリー。


ええ。


と、2人は下の車に向かった。その後の10分後、チャービルは灯油を2つ、ケリーは1つ持って部屋に入る。


扉の左側、トイレ側の方に3つの灯油を置いた。


そこまで重くなかったな。これになにに使うんだ?


そうね、半分ぐらいしか入ってないから。友達の灯油なの明日取りに来るから置いておいてって。


そうか、変な友達だな。


そうね。


さて、おれとケリーはビーニーズ行っておれは講演会に行くけど、グスマンはどうする?


あとで行くよ。先にいっててくれ。この漫画だけ読む。


わかった、早く来いよ。


ああ。


と、グスマンをおいて2人は先にビーニーズに向かった。


そのあと、15分したところでやっとグスマンは動く。ソファーから立ち上がり扉の左側についているフック。そのフックから灰色のコートを取り、思いっきり扉を開ける。その為、大きく開いた扉はその先、近くにあった灯油に当たってしまう。そして倒れた。


だが、これについてはグスマンは気づいていない。扉が手から離れたし、その左側が扉で見えなかった。倒れた感覚もない。


グスマンはなにか匂いとも思いつつも何事も無かったかのように、扉を閉めた。そして、グスマンはビーニーズに出かけた。


扉の左側の下、灯油を置いた近くにはコンセントを差す場所がある。それに倒れた灯油でびしょびしょになってしまっている。


チャービル、ケリー、グスマンもこの先何が起こるのか誰も知らなかった。最悪の出来事が起きてしまう。


チャービルは部屋には戻らず、仕事に行くようだ。


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