♯15 あの子の癖2

チャービルの部屋に来たグスマン、ポーラの事でなにか悩んでいた。


少し躊躇いながらもグスマンは話す。


…… ポーラは笑い方が酷いんだ。


は? どんなふうに?


どんなふうに? ソンビになったディアナ・ペニャルベールみたいだ。


ブレインデッド? それは気持ち悪い。


ねえ、ブレインデッドってなに?


と、ケリーが聞く。


君知らないのか? 映画だよ、ブレインデッドって映画がある。


映画? どんな?


借りてみたら?


そうする。


それで、その笑い方で萎えるんだ。綺麗な子なんだけど、笑い方で台無し! あれは化け物だ、付き合って1週間だが、やばい…… 。


と、言い始める。


落ち着けよ、グスマン。


でもそれってどうしようもないんじゃない? 彼女何歳?


32歳。


と、グスマンは答える。


なら無理ね。


なんで無理?


と、グスマンは言う。


だって30越えてる人に笑い方おかしいから直せ、と言われて直せる人はいない。これはしょうがない。


そうか、なあ1回ここにポーラを連れてくるから、聞いててほしい。


は? なんだって?


ここに連れてくる。


ここに? この部屋に?


そうだ。


やめてくれよ、ここを笑いで感染させる気か!?


いいじゃないか!? 少しぐらい協力しろよ! 今辛いのはおれだぞ!


わかったよ! 連れてこいよ!


明後日ここに来る、いいな余計なこと言うなよ。


おれはいつもマトモだ。


すると、ケリーは立ち上がりカバンを持つ。


ケリーも一緒に聞いてくれ!


と、グスマンが言った瞬間ケリーは部屋から出た。


タイミングを見張らかってその場を退出する。


ケリー…… 。


と、なんとも言えない顔をみせるグスマン。


上手く逃げたな。


と、グスマンが言う。


ああ、ブレインデッド並にな。


チャービルが言う。


そうだビル、部屋を変えるんだが、どこかいい所ないか?


なんで俺にきく?


さあ? なんでかな?


お前元不動産屋だろ? ツテを頼れよ。


たしかに、なんでかな? 頭が追いつかない。


と、グスマンはゆっくりと立ち上がり、部屋からでた。そして、ゆっくりと扉を閉める。


なんなんだ? あいつは。


──────── 2日後、ビーニーズ


9時頃、チャービルはビーニーズでシリアルとコーヒーを頼んで食べていた。

そこに、コメディアンのミミル・テオドールがやって来る。


やあ! 久しぶり、ビル!


ん? ああミミルじゃないか。いつぶりだ? コメディアンのほうはどうだ?


多分1ヶ月ぶりかな。仕事は順調さ。君はどうだ?


俺も順調。


この男はコメディアンのミミル・テオドール。ベアン講演会場によく出演する。ベアンとも仲がいい。

チャービルと性格が似ている。だが、潔癖症なところがある。ベアン講演会場では同期。


あ、悪いもう行くよ、グスマンと部屋を笑いに感染してくる。


と、チャービルが言う。


は? お前何言ってんの? まあいいや、また講演会で会おう!


ああ! よろしくな、ミミル。


と、チャービルはビーニーズを後にして、アパートに戻った。


チャービルは部屋に行くと、机やキッチンお風呂場などにアルコールを降ってティーツリーの香りを炊く。


これから部屋が感染しないことを祈って。



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