♯13 ホール夫妻2

チャービルの部屋で中国料理を待っていた。


チャービルは椅子に座り新聞を見ている。アリエスはキッチン周りを綺麗に拭いている。

グスマンとハドソンはテレビを見ている。


新聞を見ているチャービルが話す。


おい、グスマン。


なんだよ。


アヒルはアヒルの子がアニメ化するって!


なんだって!? あの新聞漫画の? いつ?


放送日は未定、毎週月曜日になるって。


放送日は未定か。


なんだ? その漫画?


と、ハドソンが会話に入ってくる。


このダラストの連載漫画だ。アヒルが仲間と政治活動する漫画で、119話連載記念にアニメ化だって。


119? 反対にすれば警察署か。なら警察署って覚えとけばいいな。


と、ハドソンが言う。


そう、警察署911の反対。覚えとかないとね。みんなも。アメリカ旅行の際もこの911を覚えとくといい。


誰に言ってるんだ? お前?


と、グスマンがツッコむ。


そこにインターフォンがなる。これにはアリエスがでる。


来たのは中国料理の配達員だった。


アリエスは部屋の鍵を開ける。


おっ! やっと来たか!


と、グスマンが言う。


もう待つこと25分だ。グスマンはお腹が空いている。


そこに配達員が部屋に入ってくる。


やあ! 中国料理だ!


と、男性中国人だった。


ありがとう! ルイ!


と、チャービルはお金を渡そうとする。


待って! あなたはだめ!


と、アリエスが言う。


私が払う。


え? 何言ってんの? 母さん。大丈夫だって。


いいの! 払わせて!!


と、アリエスは頑なに言うのでチャービルはその気迫に負ける。アリエスはルイにお金を渡した。


ではまた!


と、ルイは帰っていく。


どうしたんだよ、母さん! 昼代のお金ぐらいあるって!


いいの! あなたは払ってはだめ! お父さん、食べるわよ!


ああ、わかった!


と、中国料理を開けるアリエス。


まったく…… 。


と、チャービルは言う。


さっそく、中国料理を食べ出すチャービルたち。


炒め物って美味しいよな。


チャービルが言う。


そうね。


そこに電話がかかる。


これにはチャービルがでる。


「はい、ビルです」


「もしもし! やあ、ニコラスだ。いまいいか?」


「ああ、ニコラスかどうした?」


「さっきも電話したけど外出してたのか?」


「そうだよ、野球の試合だった」


「なるほどね。そういえばテレビの仕事がある、出ないか?」


「なんだって? テレビに?」


「そう、CBSにでないか?」


「あーそうだな。どの立ち位置で?」


「最近ビブリオセラピーをしてるらしいな」


「ああ、してるよ」


「そのビブリオセラピーについて詳しく聞かせてくれ。珍しい仕事だから社長が食いついた」


「いいよ、いつ?」


「まだわからないから、詳しい日程は後ほど伝えるよ」


「わかった、ありがとうニコラス」


「ああ! またな」


と、ニコラスが電話を切る。


だれだ?


と、グスマンがチャービルに聞く。


ああ、聞いてくれ! テレビの仕事が決まった!


なんだって!?


と、グスマンはビックリする。


口からご飯が落ちながら話す。


お前食べ方汚いな、どうにかならないのか?


いいだろ! 別に。


あら、そういえばさっきテレビ会社から電話があったわ。


と、ひょんな事からぽっと思い出したかのようにアリエスは言う。


しってる、さっき電話したって言ってた。もっと早く言ってくれ。どうだ? 仕事は順調だ。


そうみたいね。いつでるの?


それはまだ未定だから後で決めるって。


そう。凄いわね。


まあね!


と、嬉しそうに炒め物をたべるチャービルであった。


そういえば、なんでホール夫妻はここに?


と、グスマンは聞く。


フォートワースの医者に用があって、来たんだ。車を掃除してる時腕を打撲したんだ。明日帰る。


ハドソンが答える。


なるほど、早く治るといいですね。


と、グスマンが言った。


まあもう治りかけだけどね、一応見せた。


と、チャービルが言う。


そうか。ならいい。


ホール夫妻は今日泊まって、明日の朝ボーモントに帰るようだ。


今日は中国料理をみんなで嗜んだ。グスマンが帰ったあとは御年寄なので、ホール夫妻はソファーベッドで2人で静かに寝ていた。気持ちよさそうだった。


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