2シーズン

♯12 ホール夫妻

──────── チャービルの部屋にて


テレビの音が爆音で部屋中に流れる。


見ているのは、チャービルの父親ハドソン・ホールがソファーに座ってリモコン持って見ている。


もうおじいちゃんだ。67歳だ。母親のアリエス・ホールはキッチンで食器を洗っている。


今日はチャービルの親が来ている。


食器を洗い終わると、電話がなる。すぐに母親のアリエスが受話器を取った。


「はい! もしもし!」と大きな声で話す。近くで爆音のテレビが流れているので、電話越しの声が聞こえにくい。


「どうも、ニコラスです。ビルはいるかい?」


「いいえ! いま出掛けてるわよ! 」


「そうでしたか、申し遅れました。ぼくはテレビ会社の者です。あとでまた電話します」


「あら! 言っておくわね!」


「いえいえ、ではまた!」


と、ニコラスは電話を切る。


お父さん! テレビうるさいわよ!


と、アリエスが言う。


ハドソンは無言だった。そこにチャービル、ケリー、グスマンが部屋に入ってくる。


ただいまー! 父さんテレビうるさいよ!


と、ハドソンからリモコンをさっと取ってテレビの音を小さくする。


おおお! ビルか! 気づかなかった。


テレビがうるさいからだよ! 1階でも聴こえたよ!


そうか、すまない! ところで野球はどうだった?


勝ったよ! 3回戦突破!


おお! やったじゃないか!


今日は例の2月5日、チャービルとグスマンは野球の試合に行ってきた。ケリーは鑑賞。

試合は3対0でチャービルとグスマンが入団している「ダラス・カブラス」が勝っている。次の3回戦に勝てば準決勝、それに勝てば優勝となる。試合は2週間後だ。プロと違って、社会人チームなのでメンバーに合わせて試合を設定する。雨や天気があまりにも悪い時は勿論延期になる事がある。ボールは軟式を使うので、ソフトボールに近い。グスマンのポジションはキャッチャー、チャービルのポジションはファーストだ。


3対0で圧勝だったよ! 父さん!


凄いじゃないか!


こんちには! ハドソンさん。


グスマンか! 久しぶりだな! おい! 元気か?


はい、元気です。


久しぶり、グスマン。


と、アリエスが言う。


こんにちは! ビルのお母さん。


グスマンはなぜか母親だけ名前で呼ばない。


お久しぶりです! ホール夫妻!


と、ケリーがふたりに挨拶をする。


あら! 久しぶりね、ケリー。


と、アリエスが言う。


元気だった? まあ、以前より綺麗になったわね! 巻き髪? 似合うわね!


ありがとうございます! 元気ですよ。巻き髪初めてしてみたのよ、似合ってるならよかった。


と、ケリーが答える。


実は1週間前にストレートから巻き髪に変えた。初の試みだ。チャービルとグスマンはなにも感想を言わなかったアリエスに言われて、ケリーは少し照れる。


野球をしてきたのでチャービルとグスマンはユニホームを着ている。少し汚れている。


ねえ、父さん母さん、シャワー入ったら出前取るけど食べる?


わしはたべる。


私もたべる。


わかった、すぐ入ってくる。


私はここでおいとまするわね。予定があるので。


と、ケリーが言う。


ああ、わかったケリー。


と、ケリーは部屋を出た。


その後、チャービルは10分でシャワーを出る。その後グスマンが入った。グスマンは20分かかった。


グスマンが出て、やっと出前をとる。


中国料理に決めた。チャービルはみんなの出前を電話した。


中国料理が届くまで、チャービルたちは部屋でゆっくりしていた。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る