♯9 新聞と野球

朝、チャービルは起きると紅茶を容れた。


今日はアップルティーだ。現在朝9時30分だ。


チャービルはアップルティーを飲みながら、今日の新聞を読んでいた。よくスポーツ欄と漫画を読む。新聞は「ダラス・ストリート」通称ダラストだ。

漫画は「アヒルはアヒルの子」を読んでいる。風刺漫画で、作者はカルロス・バルドーだ。

主人公はアヒルを擬人化した男の子を中心に物語が進む。

そのアヒルは政治家で、自分の案を世界に広めようと奮闘するストーリー展開となっている。メンバーはカエルとハムスターだ。


読んでいると、そこにグスマンがやってくる。


グスマンは今日は静かめに部屋に入ってくる。


今日静だな、グスマン。


まあね、たまには。新聞か?


と、グスマンはソファーに座る。


ああ。


アヒルはアヒルの子は面白いか?


今日はまあまあだ。


そうか、後で読ましてくれ。


わかった。もういいよ、あげる。


もういいのか。


と、グスマンは新聞を読む。


なんだこれ、私はアヒルの子だ! て叫ぶシーン、ダサいな。


そうだな。


そんなことみんな知ってるのに。


たぶんこの世界ではアヒルを知らないのかもな。


なるほど。


そこにケリーがやってくる。


やあ、ケリー! おはよ!


と、グスマンが言う。


は〜い! グスマン、ビル!


と、元気よく、少し甘い声を出す。


なにしてるの?


新聞読んでた。主にアヒルはアヒルの子を。


なにそれ? アヒルの漫画ってこと?


ああ、そうだ。


と、ビルが答える。


ちょっとみせて。


新聞を?


当たり前でしょ?


グスマンが持ってるから。


いいよ、あげる。もうみた。


と、グスマンはケリーに新聞を渡す。ケリーはソファーに座り、読み始める。


これがアヒルはアヒルの子?


そう。


なにこれ、集会で「ぼくはアヒルの子だ!」てふざけてるの?


いいや、本気だ。


本気なのね。変わった漫画ね。


面白いだろ。


んー。


アップルティーいるか? グスマン、ケリー。


いる!


私も貰う。


わかった。


チャービルはアップルティーをを容れた。今の季節に合う温かいアップルティーだ。フルーティーで少し渋みがあって、飲みやすい。


ほら、アップルティーだ。


と、チャービルはケリーとグスマンにコップを渡す。


ありがとう。


ありがとう、ビル。


と、グスマンとケリーが言う。


何時頃ビーニーズいく?


と、グスマンが聞く。


そうだな、11時ぐらいかな。もうすぐだから行くか。


そうね、もう行きましょう。お腹空いたわ。


わかった、上着着てくる。


すると、チャービルは今日はパーカーつきのスタジャンを着てきた。テキサス・レンジャーズのスタジャンだ。


さすが、暖かそうね。


まあね。


さて、行こう!


と、3人はビーニーズに向かった。


ビーニーズに着くと、3人は料理を頼む。グスマンはチリにターキーサンドにホットコーヒー、ケリーはハムのサンドイッチ、チャービルはパニーノにホットコーヒーを頼んだ。


ビーニーズには1時間ほどいた。少しゆっくりして、話をして、その後アーリントンのスタジアムに3人は向かうのだ。





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