♯7 野球の話をしよう

チャービル、ケリー、グスマンはビーニーズに入ると、すぐさまカウンターではなくいつもの窓際にあるソファーテーブルに座る。そして、テキサス・レンジャーズの話をする。


すみません!


と、ケリーが店員を呼ぶ。


すると女性店員が来る。


はい、注文ですか?


ええ、糖質ゼロのチキンサラダに、カフェオレホットください。


俺はシリアルにカフェオレホット。グスマンは?


俺はそうだな、ターキーサンドにアイスのコーヒーで。


かしこまりました。


注文を終えると、話の続きをする。


それで? ディモってだれ?


と、ケリーが聞く。


ディモは大学の時の友達でな、スポーツ専攻だった。


おれとグスマンは違う学科だったけど、同じ野球が好きってことで仲良くなった。最近家の近くで久しぶりに会ったんだ。その時チケットくれた。


その人ってイケメン?


まあまあだな。いいやつだよ。


髪型は?


髪型? なんか紳士みたいな髪型だな、イギリスみたいな。


それいいわね。ねえ、紹介してよ。


ディモを?


そう。


いいけど、なんで?


いいじゃない、会ってみたい。


わかった。君って野球好きだっけ?


ええ、たまに見るわよ。テキサス・レンジャーズもこの前みた。


なあ、テキサス・レンジャーズといえば、バート・ブライレブンがすきだ。


と、グスマンが言う。


ああ、投手だろ? 1951年の。


そうそう。


おれはミニー・ミソーノがすきだ。あんな素晴らしい選手はいない。


たしかにな。


そうだ、ケリー。来月おれとグスマンがやってる野球チームの試合もあるけど、くる?


来月? いつなの?


2月5日だ。


わかった、空けとく。


と、そこに料理とカフェオレ、アイスコーヒーが運ばれて来る。


3人は朝ごはんを食べながら話す。


ねえ、あなた達がやってるチーム名なんなの?


ダラス・カブラスだ。


と、チャービルが答える。


ヤギ?


そうだ、ヤギだ。


可愛い名前ね。


カブラス作った監督がマカオ人でね。元々闘山羊をしてたらしい。それでヤギが好きでカブラスだ。


なるほどね。その闘山羊ていうのはヤギが戦うの?


そうだ、日本やアジア発祥らしい。


そうなのね。


いい名前だと思うヤギ。


そうね。


強いの?


過去4回優勝してる。


あら、強いのね。当日ヤギみたいに食べないか心配だわ。


ボールをか? それともキャッチャーミット?


どっちも。


そんなわけないだろ。


グスマンなら食べそう。


食べるわけないだろ。


そこで、ケリーは腕時計を見る。


あら、もうこんな時間ね。そろそろ仕事いく。


そうか、もう9時30分か。わかった、また後で。


ええ、夜部屋に行くわね。


ああ、わかった。


と、ケリーは先にお店を出て、仕事に向かった。


グスマン、お前は行かないのか?


そろそろいくよ。


じゃあ行くか。おれも続きしないと。


そうだな、会計は半々で。


ああ。


2人は会計を済まし、グスマンは仕事に向かった。グスマンはケリーが紹介したミシンの仕事をしている。工場だ。


チャービルは先程の本の件でいつ届くか、確かめに部屋に戻る。そして、次の講演会の本を選んだ。


今日も愉快な日常の始まりだ。


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