♯5 グスマンとポップコーン2

グスマンはケリーに頼まれポップコーンを買うために売店へと向かった。


やあ、ポップコーンくれ。塩だ。


ポップコーンね、分かった。


と、気さくに接客をする女性店員。


2分ほど待って、すぐにポップコーンが出てきた。


はい、ポップコーン。


グスマンはポップコーンの容器を受けとり、戻ろうとするとある事に気づき、立ち止まる。


暫くポップコーンの容器を見つめながら、売店に戻る。


ねえ君、これ…… 。


はい、ポップコーンでございます。


ああ、わかってる。でもこの容器小さく無いか? 飲み物の容器の子供用みたいな容器に見えるんだが?


それもそうです。お子様用Rの容器ですので。


はあ、なるほど。で? なんでお子様用に? おれがお子様に見えたのか?


いえ。容器はおっしゃらなかったので。


なるほど。お前バカにしてるのか? どうみたらお子様用になるんだ? 普通Mだろ!? 大人なんだから!


そのMの容器はSです。


なんだって? その容器をみせろ。


と、グスマンが言う。その店員はポップコーン容器のM(S)を取り出してグスマンに見せる。


グスマンが思っていた通り少し小さめの、よく見かける小さいほうの容器だった。


1つ言うが、君はこの容器が僕に合っていると思うか?


いいえ、普通はもっと大きなサイズを頼まれます。


分かってるならその大きなMサイズでポップコーンを作れ!


わかりました。2ドルになります。


は? なんだって? お前金取るのか?


はい、お仕事なので。


お前が間違えたのに! なんでおれが払わないといけない!?


だって…… そういう決まりですので…… 。


すこし怯えた表情だった。言うなら怖がっている時のわんちゃんのようだ。


くっそ! わかっよ! 払うよ、2ドル!


と、グスマンは2ドルを渡した。その後Mの容器のポップコーンを貰って、映画に戻った。


グスマンは少し不機嫌だった。


ほら! ポップコーン!


と、言葉を荒らげる。


どうしたんだ? グスマン?


と、チャービルが聞く。


後で言う。映画をみたい。


わかったよ。


──────── 1時間半後


映画が終わると帰りながら、話す。


グスマンなにがあった?


それか。なあ、ここよりいつもの映画館のほうが良かったな。


えーと? なにが?


ここはぼったくりとおれをお子ちゃま扱いする連中の集まりだ!


話せよ、グスマン。


そうよ、なにがあったの?


するとグスマンはさっき起こったことを話す。


それもそのはず、この映画はいつも来ている映画館ではない。チャービルが仕事だったのでそのついでに寄った映画館、「パラパラ映画館」だ。

いつも行っているのは、ここからもう少し離れている。「アルガ映画館」だ。


そんな事があったのか?


そうだ! おれはあんな事初めてだ!


まあまあ落ち着来なさい!


と、ケリーが言う。


元はお前が買ってこいって言うからこうなったんだ! 2ドル返せ!


なんだって!? いいわよ! 2ドルね!


と、ケリーは2ドルをグスマンに渡した。


場の雰囲気がドクドクしくなった。今日はもう帰ろうとチャービルは言う。


それに賛同するケリーとグスマン。


各々帰るのだが、ケリーとグスマンは喧嘩をしてしまったままだ。


そのまま次の日が訪れる。



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