♯4 グスマンとポップコーン1

チャービルは少し小走りで、喫茶店に向かった。その際自分の携帯でケリーに電話する。


「ケリーか?」


「もしもしビル? 終わったの?」


「ああ、終わったよ。いま喫茶店に行くから待ってて」


「分かった。グスマンにも言っておく」


「ありがとう」


と、チャービルは携帯を切る。チャービルはベアン講演会場の近くにある青いレンガ風のレトロな喫茶店に向かう。


チャービルは数分で着いた。入ると、ケリーとグスマンは奥のカウンターに座っていた。


ごめん! ケリー、グスマン! 遅くなった!


と、チャービルはケリーたちの前に現れる。


あら! どうだったの? 講演会は?


そうだな、普通だった。人が多いって聞いてたけど、50人ほどだった。


50人もいたの?


まあね。


と、ケリーとチャービルは話す。


さて、映画館行こうか。


と、チャービルは言う。


すると、3人は喫茶店を出て映画館に向かった。


ところで、語る会だっけ? チケットって幾らぐらいするの?


と、映画館に向かいながら話をする。聞いたのはケリーだ。


そうだな、1つ4ドルから9ドルってとこかな。


なるほどね。てことはかなり儲かるわね。


そうか? 語る会は1番収入低い。


1番高いのは?


セラピーだな。


あ〜あれね。


ところで着いたぞ。


で、何見るんだっけ?


と、グスマンが言う。


気狂いピエロだ。


気狂いピエロって面白いよな。実はおれサミュエル・フラーの大ファンでな。


と、チャービルが言う。


B級映画って素晴らしいよな! 迫力あって!


そうだな。ケリー、気狂いピエロでいいか?


と、チャービルはきく。


ええ、良いわよ。


じゃあグスマン金渡すから買ってきてくれ。


またおれか!? 今日はジャンケンだ!


なに? ジャンケン? お前おれに勝ったことあったけ?


あるよ! あるよ…… 1回だけ。


それは心もとないな。いいよ、ジャンケンね。2人は左手をパーに、その上にグーを置いて、グーを2回パンパンと叩いてからタイミングよくジャンケンの手を出した。2人は掛け声はない。この方法でジャンケンをする。グスマンはグーを出した。だが、チャービルはパーを出したので、グスマンの負けとなる。


なぬー!


ほらな、これでいいだろ? 買ってこいグスマン。


わかったよ! チックショー!


小梅太夫か? グスマン。


行ってくる。


そういうと、グスマンは「気狂いピエロ」のチケット3枚買った。


ほらよ。


さて、入るぞ。


3人は映画館に入る。


今回は真ん中の椅子に座る。映画館なので暖かく、暖房が付けてある。そして当たり前だが暗い。


5分ほどで、気狂いピエロが始まる。


そうだ、ポップコーン買うの忘れたわ。グスマン買ってきて。


と、ケリーが言う。


えー、始まったのに?


すぐ行けば大丈夫よ、ほらお金、Mね。


くっそ! わかったよ。


と、グスマンは一時抜ける。


その10分後に戻ったのだが、少し機嫌が悪かった。買った先になにかあったのだろうか。ケリーとチャービルはまだそんなグスマンに気づいて無かった。気づいたのは、映画が終わって帰る途中だった。


ケリーはひたすらポップコーンを食べながら映画を見ていた。


グスマンはなにがあったのだろか。



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