それでもなんとか生きている(´;ω;`)ウッ…
よろず相談
と、いったようなことが書かれていたのでしたが、いまだ王様は理解できていません。けれど、王様と少女の行く先々で、あちらからこちらから人が近寄っては、路上に座り込み、ぼそぼそと悩み
それに、手の
(……このまま、二人でひっそりと暮らしたいものじゃ)
とまで、思うようにもなりました。少女の古里には帰したくない……という欲も芽生えてきました。
王様のほうこそ、誰かにそんなことを相談したかったのですが、もはや、聴き屋は、王様の
あるとき、王都からやってきた行商人が、相談にやってきました。それとなく都の様子をたずねてみると、
「おう、変わりつつあるぞ」
と、いうことでした。
さらに不可思議なことに、〈おめでとう禁言令〉は、まだ廃止されてはいないとのこと……。
その理由を、その行商人は、
「……ほら、他国から大勢、人がやってきたろ? 口々に『おめでとう』と叫び、わざと逮捕されて、
なんということでしょう。
「なあ、〈おめでとう禁言令〉が、この国を救う起爆剤になったのさ。つまりは、発令を命じた王様のおかげだ」
「……王はいないと聴いたが……」
「ああ、なんでも、王は不要……とのこと」
「・・・・・・?」
どうやら、この行商人は、〈
「あ……! なるほど、王は不要か……」
「そうさね、みんなが無い知恵を振り絞って、あれこれやっていきゃあ、いいのさ。その意味では、〈おめでとう禁言令〉を考え出した王様は、商いの天才かもしれねぇな。あえて、強烈な
「それはお気の毒……いや、おめでたいことで……」
王様は気恥ずかしさのあまり、つい口ごもってしまったのでした。
めでたし、めでたし……
というわけにはまだいきません。世の中、そんなに都合のいいように展開はしないものでしょうから。
王様には新たな悩み……そうです、少女を送り届けるべきか、
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