第44話【本編】人族の強くなさそうな男

「・・・・・・今目の前にいる彼女が命懸けで何かをしてくれていることははっきり伝わってきます。そしてそれはボクのためではなくあなたのためにやっているのだということも。だからあなたのことを信用しますよ。・・・・・・ボクは何をすればいいですか?」


 ダタンが〈心の声〉でそう伝えてくる。


 そうだ。


 ナージョは今、命を懸けて魔王と、ダタンの体と向かい合っているのだ。


 俺は改めてそう自分に言い聞かせるように言ってから、ダタンに〈心の声〉てこう伝えた。


「ダタン! まず君がしなくちゃいけないことは自分の体はまだ自分のものだと強く信じることだよ! まずそれから始めなきゃ絶対に魔王から体を取り戻すことはできないからね。そしてちゃんとそれを信じることができたら僕と協力してその体を奪い返そう!」


「わかりました! まだこの体は自分のものだと強く信じればいいんですね! おっしゃる通りボクは諦めてしまっていたのかもしれません! ・・・・・・この体はボクのものだ! 誰のものでもなくボクの・・・・・・」


 そうやってダタンはしばらく〈心の声〉で繰り返していた。


「いいよ! もうだいぶ信じられたみたいだね! じゃあ、これからの作戦を説明するね! まずこれから僕が君の体の前に姿を現す。そして僕の仲間のミフユが君の体に目覚まし羽根を撃ち込む。それで君の意識はもう魔王と同様かそれ以上に強くなっているはずだ。そしたら、ここからが大変なんだけど、僕は魔王が一時的に支配している君の体に戦いを挑む。君は魔王の精神に、つまりは心に戦いを挑む。僕達二人が勝利すれば君の体から魔王を完全に追い出すことができる! どう? 作戦は理解できた?」


「はい。・・・・・・でも、あなたの身が危険にさらされるのではないですか?」


「大丈夫! 僕は案外強いから心配しないで! それよりも君は君の戦いに集中して!」


「はい、わかりました!」


「きっと成功させようね! ・・・・・・じゃあ、僕が、人族のあまり強くなさそうな見た目の男が君の前に姿を現したら作戦開始だよ!」



―――――――――――――――――――

第44話も最後までお読みくださりありがとうございます!


ここまで読まれて、もしちょっとでも「なんかおもしろそう!」「これは期待できるかも!」と思っていただけましたら、作品フォローや★★★評価をしていただけるとうれしいです!


皆様からの応援が駆け出し作者の力にメチャクチャなります!


精一杯おもしろい作品になるように努力しますので、よろしければ是非応援よろしくお願いしますm(__)m


―――――――――――――――――――

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る