第41話【本編】平手打ち!?
「トキハル!」
とすごく遠くで
俺はその声を聞きながら、そのナージョという名の娘と後ちょっとで唇を合わせてしまいそうになっていた。
だがその時、そのナージョという娘が、
パンッ!
と俺の頬を平手で打ったのである。
その瞬間、俺はすっかり元に戻って、思わずそのナージョという娘から一歩後ろに遠ざかった。
すると、ナージョという娘はこう言った。
「これがあたしの異能力だ。本当は言葉なんか使わなくてもできるんだけども。この方がわかりやすいだろ?」
「ナージョ! この方は大勇者様だぞ! 平手打ちをするとは何事だ! 謝りなさい!」
この村の村長らしき人族の老人にそう言われると、ナージョという娘はこう言ったのだった。
「あたしと接吻をするよりはましだろう? あたしの平手打ちなんか蚊に刺されたと思えばいいじゃないか! ・・・・・・あたしは別にしたってよかったけど」
俺はこのナージョという娘のことがいまいちよくわからなかった。
ただ彼女の言うように言葉を使わなくても相手の行動を操れるのならそれはすごい能力だとは感じてした。
魔王が興味を持つのも
だから俺はこう言ったのだ。
「ナージョ、君のその能力はたぶん君が思っているよりもずっと貴重で重要なものだ。だから魔王に狙われることを十分考えられる。それで、さっきも言ったけど、僕達に君を守らせてくれないかな?」
そのナージョという娘はしばらく沈黙してからこう言った。
「・・・・・・あんたがあたしを守ってくれるのか?」
「うん。僕が君とこの村の人達を守るよ」
俺がそう言うと、そのナージョという娘はまたしばらく沈黙して、いきなりこう言ったのだ。
「・・・・・あたしはあんたが好きだ」
「えっ?」
「だからあたしとこの村を守りたいならあたしをこの村から連れ出してくれ!」
「でも、それじゃあこの村の人達は?」
「あたしさえいなければこの村のみんなは大丈夫だ。いろんな知恵を持っているし、
「・・・・・・それは僕達と一緒に旅がしたいということなのかな?」
「旅? そうだ! あたしはずっと旅がしたかったんだ! あんたのことだ。自分のためじゃなく、この世界を救うために旅をしてるんだろう? きっとあたしは役立つよ! いいだろう?」
「確かに僕達はこの世界を救うために旅をしてるんだけど、その前にその魔王から仲間の友人の体と仲間の村の人達を取り戻さなきゃいけないんだ。それに協力してくれる?」
俺がそう尋ねるとそのナージョという娘はここで初めて笑ってこう言った。
「あんたがしろと言うならするよ」
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