第38話【本編】ターラカ村の異能力者!

「じゃあ、僕はいつでも飛び立てるようにここで待機しています! 大勇者様、ミフユさん! ・・・・・・それから、マドー君も気をつけて!」


 カナタにそう見送られ、俺はこう彼に言い残してターカラ村へと徒歩で向かって行った。


「うん、じゃあ、行ってくるね! カナタ! 何かあったら〈心の声〉で知らせるから!」


 



         ⚫





 ターラカ村に着くと、予想外に俺達は大歓迎された。


「ああ、あなた様は大勇者様ですね! その姿を一目見てすぐにわかりましたよ!」


 なぜかこの世界では邪悪なものには俺の素性は知られていないが、それ以外のこの世界の住人達はなぜかみんな俺のことをよく知っているのだ。


 俺はその村長らしき人族の老人の話を聞きながら、〈心の声〉でマドー君にこう質問してみた。


「ダタンの体を乗っ取ったその魔王はダタンの記憶も手に入れてしまっているのかな? もしそうなら俺の素性はすでにその魔王に知られてしまっているかもしれない!」


 すると、マドー君が〈心の声〉ですぐこう答えてくれた。


「それは大丈夫やと思うで! ダタンの記憶までは手に入れることはできひんはずや! あくまで乗っ取るのはその体と能力だけや!」


 それを聞いて俺は安心して村長らしき人族の老人にこう話を切り出した。


「あの、落ち着いて聞いてくださいね。・・・・・・この村はどうやらある魔王に狙われているみたいなんです! それでちょっとお聞きしたいのですが、この村にちょっと変わった能力を持った人はいませんか? ひょっとしたらその人が狙われている可能性があるんです! ・・・・・・というのも、その魔王は相手の体を乗っ取ってその相手の能力を奪うことができるようで、奪った後はその体を捨ててしまうんです! それで捨てられた者は確実に死んでしまうらしいんですよ!」


 俺がそう言い終わると、その村長らしき人族の老人は静かにこう話し始めた。


「・・・・・・なんと恐ろしい。 ・・・・・・確かに大勇者様のおっしゃる通り、この村には珍しい能力・・・・・・我々は異能力いのうりょくと呼んでいるのですが、その異能力を持った娘が一人だけおります。ナージョという娘で、その子は相手の未来の行動を決めることができるのです。ですが、とても心の優しい子で邪悪なことにその異能力を使ったことは今まで一度もございません。・・・・・・その異能力が狙われているというのですか?」




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